箱根にあるポーラ美術館では、3月23日(土)~7月28日(日)の期間、現代美術展示スペース「アトリウム ギャラリー」におけるHIRAKU Projectの第8回目の展示として、大山エンリコイサム「Kairosphere」展を開催する。
ニューヨークを拠点に活動する大山エンリコイサムは、「クイックターン・ストラクチャー」と呼ぶ表現を用い、制作を続けるアーティスト。
「クイックターン・ストラクチャー」とは、地下鉄や都市の壁などにかかれたライティング(グラフィティ)の文字や色彩を取り除くことで見えてくる描線の型「クイックターン」を使用して画面を構築する大山独自のスタイルで、過去15年間にわたり、カンヴァスや壁、ファウンド・オブジェクト、さらにコム・デ・ギャルソンとのコラボレーションでは衣服など、多様なメディアに「クイックターン・ストラクチャー」を展開してきた。
国内初の美術館での個展となる本展では、縦244cm、横幅914cmという過去最大の絵画作品で、初公開となる新作絵画『FFIGURATI #207』(2018)が展示される。
また、彼にとって制作の節目となった、アクリルを用いた立体作品『FFIGURATI #9』(2009年)も併せて展示することで、これまでの探究の軌跡を堪能できる。
「クイックターン・ストラクチャー」が作品の物理的な枠と制作の時間を超え、空間全体に満ちていくようなインスタレーションを、ぜひ体感してみて。
■「ポーラ美術館」
住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
写真上『FFIGURATI #207』2018
Artwork © Enrico Isamu Ōyama Photo © Go Sugimoto
写真下『FFIGURATI #9』2009 アクリル性エアロゾル塗料/アクリルキューブ
Artwork © Enrico Isamu Ōyama