長唄唄方・杵屋佐喜(きねやさき)氏がYoutubeに「杵屋佐喜チャンネル」を開設し、長唄の新曲『カレーライスの唄』の配信を4月1日(水)からスタートした。
国立劇場版「PNSP」で話題の杵屋佐喜氏
江戸時代から続く長唄佐門会家元の次男である三代目・杵屋佐喜氏は、長唄の唄方だけではなく、全国で子ども向けワークショップを行うなど、長唄の普及活動にも積極的に取り組んでいる。
2017年には、ピコ太郎の「PPAP」の国立劇場版「PNSP」を唄い、世間で話題沸騰となった。ケレン味と格調高い長唄が融合されたその楽曲PVは、Youtubeでの再生数が300万回を超えたという。
今回新たな取り組みとして、Youtubeに「杵屋佐喜チャンネル」を開設。その第1弾として、“カレーライス“をテーマにした長唄『カレーライスの唄』のミュージックビデオを配信した。
長唄の新曲『カレーライスの唄』
自宅で手軽に作って食べることができるカレーライスは、いわゆる“おふくろの味“として、幅広い世代に親しまれているメニューだ。一緒に作ることで子どもは親を手伝い、親はレシピを子に伝承することができ、食べて美味しいだけではなく「親と子の絆を深める機会となる食べ物」のひとつといえるのかもしれない。
そんなカレーライスの魅力を佐喜氏の視点で引き出し、自身の作詞・作曲によって独自の世界を作り上げたのが今回の新曲だ。
同氏は“今作は唄、三味線、囃子による長唄の魅力をぎゅっと詰め込み、思わずカレーが食べたくなるような、そんな思いを込めて作った”という。可愛らしくあたたかみのあるアニメーションも必見だ。
長唄童謡の紹介番組もスタート!
同チャンネルではこの新曲MVのほかに、長唄童謡の紹介番組も4月15日(水)にスタートさせ、長唄童謡10曲を3日に1回配信していく予定だという。先人たちの偉業に敬意を払いながら、“佐喜世代”の新たな感覚で全力を尽くした作品たちに注目だ。
さらに、佐喜氏を中心とした長唄唄方・三味線方・囃子方によるリモート演奏を収録した番組なども予定している。魅力的な長唄の動画が配信されることで、長唄に気軽に触れられるようになれば、長唄がもっと面白く、分かりやすく、親しみやすいものになるかもしれない。
古くから続く伝統的なものに新たな感覚が加わった長唄『カレーライスの唄』を観て、長唄の世界に触れてみよう!