学研プラスから、野村克也著「野村の教え方 すべての指導者に贈る最後のメッセージ」が発売中だ。
リーダー向けに描かれた「教え方」の真髄
古田敦也、新庄剛志、宮本慎也、稲葉篤紀、そして田中将大など、プロ野球史に残る、あまたの名選手を次々に育てて自らのチームを勝利へと導いた名将・野村克也。同書は、惜しくも今年2月にこの世を去った野村氏の「教え方」の真髄を、企業や教育現場のリーダー向けに“指導書”として書き綴った「リーダーシップの経典」というべき一冊だ。
初めての「教え方」の本
この本は、野村氏による初めての「教え方」についての本。生前の野村氏が部下を指導する際のモットーは「教えない」。しかし実際には、野村氏秘伝の「野村ノート」をはじめとする、緻密な教育理論に支えられた「教え方」が存在していたのだとか。
「指導者はついつい自分の知識を教えたくなるものだが、それ以前にやるべきなのは、じっくりと選手を見ることだろう」
「一人ひとりの長所や短所、性格などを知る。その上で、どうしたら活躍できるかを考え、適切なタイミングで声をかけていく。これを地道に繰り返す以外に、部下の未来を変えることはできない」
「私は監督時代、選手たちにプロセスの大切さをしつこく説いてきた。具体的には準備を徹底させるということだ。一に準備、二に準備である」
など、多数の“野村コーチング”の真髄がこの本の中に集められている。
書誌詳細
「野村の教え方 すべての指導者に贈る最後のメッセージ」の価格は1400円(税別)。四六判/216ページとなっている。
野村氏の生前に学研プラス編集部が再三の提案をすることで、「選手が自分で考え、動くための教え方」を一冊にまとめる許可をとり、発行された同書。きびしい環境が予想されるこれからの時代をふまえ、チームを確実に勝利へと導くための“名将の金言”から学べることは多いはずだ。