文豪の作品は知っていても、その死についてはあまり知る機会がないもの。有名作家の人生、そして生み出した作品群を紹介する書籍『文豪の死に様』が、誠文堂新光社から11月5日(木)より発売中だ。
文豪の死に方から作品を深く多角的に省察
太宰治38歳、芥川龍之介は35歳で早世している。かたや志賀直哉は88歳、井伏鱒二は95歳まで生きた。
文学という手段で人生に取り組んだ文豪たちは、どんな死を迎えたのか。迫りくる死の影は、作品に何らかの影響を与えたのか。死の直前、彼らが見ていたのはどんな風景だったのだろう。死に方を考えることは生き方を考えることだ。
同書では、小説を通してさまざまな人生を世に問うてきた文豪たちの人生を、死という消失点にむかって遠近法的に見ていく。そうすることで、その作家の人生、そして作品をより深く多角的に省察しようと試みている。
巻末には著者と京極夏彦氏の対談も
目次には、樋口一葉、二葉亭四迷、森鴎外、有島武郎などのそうそうたる名前が並ぶ。「闇落ち前に斃れたこじらせ女子」「元祖意識高い系、洋上に死す」など、現代に通じるタイトルも必見だ。
巻末には、著者の門賀美央子氏と京極夏彦氏の対談も掲載。京極夏彦氏は「死ぬ間際まで何かを書かずにはいられない、その辺が文豪の文豪たる所以なのかな」と述べている。『文豪の死に様』は1500円(税抜)、誠文堂新光社の書籍紹介ページから購入できる。
文豪ファンはもちろん、名前しか知らないという人も、有名作家の“死に様”という視点から、その生に思いをはせてみては。
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