横浜高島屋では9月15日(水)~10月4日(月)の期間、「安野光雅 追悼『洛中洛外と京都御苑の花』展」を開催する。
未公開原画を含む追悼展
安野光雅氏は1968年に絵本作家としてデビューし、ユーモアあふれる絵本や温かな色彩の水彩画などで人気を集めた。同展は「洛中洛外」の風景画を中心に、2020年12月に94歳でこの世を去るまで描き続けた未公開原画を含む121点を紹介する追悼展。
産経新聞に毎月連載された「洛中洛外」
安野氏は2011年から2019年12月まで古都の姿を描き続けた。2011年5月から産経新聞に毎月連載された、約1200年の歴史と伝統に彩られた京都を描く「洛中洛外」は、安野氏が自身で京都各地を訪れ、洛中のおなじみの寺社仏閣だけでなく洛外も京都の北部から南部までの広範囲にわたる風景や歴史ある街並みを描いた。京都ゆかりの人物まで描かれており、作品の題材は多岐にわたっている。
「洛中洛外」シリーズより「哲学の道」。
同シリーズより「嵐山 法輪寺」。
特別編として掲載された「京都御苑の花」
2019年は天皇陛下譲位の年ということもあり、京都御所のある京都御苑に咲く花を題材にして描いた作品が、産経新聞に特別編として1年間掲載された。
「京都御苑の花」シリーズより「ドングリ」。
同シリーズより「サザンカⅡ」。
「安野光雅 追悼『洛中洛外と京都御苑の花』展」は横浜高島屋ギャラリー8階で開催。入場料は一般1,000円(*800円)、大学・高校生800円(*600円)、中学生以下無料。その他詳細は横浜高島屋公式ホームページで確認を。
やさしい雰囲気の漂う作品を数多く発表
安野氏は、大正15年(1926年)3月20日、島根県津和野町生まれ。昭和24年美術教員として上京。 教員のかたわら、本の装丁などを手がける。昭和43年、絵本『ふしぎなえ」でデビュー。 淡い色調の水彩画で、やさしい雰囲気の漂う作品を数多く発表。
また、美術の世界だけにとどまらず、科学・数学・文学などにも造詣が深く、その好奇心と想像力の豊かさで次々と独創性に富んだ作品を発表。その業績に対し、国際アンデルセン賞を始め、紫綬褒章、菊池寛賞など数々の賞を受賞。平成24年(2012年)には文化功労者に顕彰された。 代表作に『ふしぎなえ』『ABCの本』『天動説の絵本』『旅の絵本』『綸本平家物語』、司馬遼太郎『街道をゆく』の挿絵など。
休みの日は、「安野光雅 追悼『洛中洛外と京都御苑の花』展」へ訪れてみては。
*( )内は、前売りおよび団体10人以上の割引料金。
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