広島県福山市の徳永製菓は、しまなみ海道に位置する生口島にアーモンドやピスタチオなどのナッツの木を植える「しまなみナッツファームプロジェクト」を開始する。3月26日(土)に地域住民や社員・スタッフの子どもたちを招待し植樹会を開催する。
200年継続企業を目指して
徳永製菓(屋号:豆徳)は創業明治二年の豆菓子メーカー。現在では豆菓子に加え、ナッツ関連製品の製造もしている。古くからの職人技術と伝統を受け継ぎつつ、常に斬新な発想と工夫で新しい商品づくりに挑戦する「老舗のチャレンジャー」、それが徳永製菓のモットーだという。コロナ禍の2020年12月には浅草に新店舗をオープン。豆菓子・ナッツの魅力を伝えるため、日々挑戦を続けている。
今回、これまで支えてくれた人々と地域に感謝しつつ、200年継続企業を見据えた取り組みとして「しまなみナッツファームプロジェクト」に挑む。自分たちでナッツの木を植えることは、同社にとって初めての挑戦。木を植えて育てていくことは、気の長い仕事で、10年先20年先、いや50年、100年先でないと成果が見えてこない取り組みだ。
世界の6種のナッツが瀬戸内に集結
きっかけは、ナッツのことを調べていく中で、アーモンドやピスタチオなどは温暖な気候条件が適しており、それはまさしくオリーブやレモンなどの果樹類が好む気候と同じで、この瀬戸内海沿岸地域が最適なのではないかということを知ったこと。ファーム予定地の生口島(広島県尾道市)はレモンなどの柑橘類で有名で、国産レモン栽培の発祥の地でもある。同社は、ここにアーモンド、ピスタチオ、マカダミアナッツ、くるみ、ピーカンナッツ、ヘーゼルナッツの木を植え育てるプロジェクトを始める。
6種類のナッツが植えられた農園はまだ日本になく、世界の産地でも基本的には単一のナッツ農園であり、このような事例は聞いたことがないという。
耕作放棄地再活用と循環型のナッツサイクル
瀬戸内海を縦断するしまなみ海道のほぼ中央にある生口島は、国内有数のレモンの産地だ。最近では「瀬戸田レモン」として注目されるようになってきたが、この生口島でも農家の高齢化や後継者不足によって、作物が育てられなくなった土地が長期間放置される「耕作放棄問題」が深刻化している。
今回の「しまなみナッツファーム」はこの耕作放棄地にナッツを植える予定だ。ナッツを植えることが、耕作放棄地の解消に少しでもつながれば良い、そのように考えてこのプロジェクトを進めていくという。
また、しまなみナッツファームでは、徳永製菓でナッツ・豆菓子を作る際の残渣などを一部、堆肥にしてファームに戻す循環型のモデルを模索する計画だ。植物廃棄物を堆肥へアップサイクルさせる。
植樹祭には子どもたちも参加し、「◯◯ちゃんのアーモンドの木」などを植えていく。子どもたちの成長とともに、ナッツの木々が将来大きく実を付けてくれることを夢見ながらプロジェクトを進めていくという。
まだ誰も見たことのない景色を楽しみに、同社の挑戦を見守ってみては。
徳永製菓HP:https://www.mametoku.co.jp/