堀越啓さん著『西洋美術は「彫刻」抜きには語れない 教養としての彫刻の見方』が、翔泳社より発売された。同書は、アートビジネスの経営者による彫刻の入門書となっている。
「彫刻の見方」を解説した入門書
彫刻は、多くの歴史的・芸術的作品がありながら、多くの人にとって、絵画と比べれば、なじみが薄い、親しみを持ってもらいにくい傾向にある。
彫刻家に名付けられ、彫刻でアートビジネスを展開してきた著者・堀越啓さんが、その経験を活かし、教養としてのアートを学びたいビジネスパーソンを含め、彫刻・美術に少しでも関心を持つすべての人に向けて「彫刻の見方」を解説した入門書が、同書だ。
もはや「スルーできない」彫刻
堀越啓さんは、「みんな、なぜ絵画にばかり注目して、彫刻を見ないのだろうか?」との疑問を持ち続けてきたという。多くのアート初心者に「彫刻は難しいから」と敬遠される場面を度々目にしてきたからだそう。
一方で、美術館に行けば、屋外スペースを中心に彫刻が出迎えてくれる。また、美術館内や常設展ではさまざまな彫刻が展示されており、アートの歴史において彫刻は、多くの巨匠によって挑戦されてきた、欠かすことのできない重要な表現手法の一つだ。
近年では、地方創生の流れとあいまって、「芸術祭」が各地で行われるようになり、野外に設置されている彫刻作品の割合が非常に多くなってきている。同氏は、「もはや『彫刻をスルーするということは、美術の半分を無視している』ことになる」と考えている。
このような問題意識から、同書はそんな「彫刻をスルーしてきた人々」に対して「彫刻を見ないともったいない!」と投げかける内容だ。
全部で5章の構成となっており、「あなたの美を見る目を高める彫刻の見方」を説く内容。彫刻の面白さや彫刻から見る美術史、鑑賞のコツや押さえておきたい作品、さらには彫刻鑑賞で得られるものについてなど語られている。
「彫刻家・佐藤忠良」展が開催
『西洋美術は「彫刻」抜きには語れない 教養としての彫刻の見方』の価格は、2,200円(税込)。
また、5月5日(木)~10日(火)の10:00~19:00に、仙台・藤崎百貨店/本店6階の美術ギャラリーで「彫刻家・佐藤忠良」展が開催される。
同展の開催期間中、堀越啓さんが毎日在廊するため、気になる人は書籍と合わせてチェックしてみては。
翔泳社公式サイト:https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798172934