食料問題に取り組む国際協力NGOハンガー・フリー・ワールドが事務局を務め、 アフリカ日本協議会と連携して実施している「世界食料デー」月間2022は、10月1日(土)~10月31日(月)の期間「食料問題について考え、解決に向けて一緒に行動する1ヵ月」として展開する。
期間中は「食」に関するイベントやキャンペーンが数多く開催される予定だ。
「すべての人に食料を」の実現が目的
毎年10月16日は国連が定めた「世界食料デー」。一人ひとりが協力し合うことで世界の飢餓を終わらせ、最も重要な基本的人権の一つである「すべての人に食料を」を実現することを目的に制定された。
日本では、「世界食料デー」を含んだ10月1日~10月31日に、飢餓や食料問題について考え、解決のために行動することを呼びかけるため、国際機関やNGO/NPOなどが連携し、2008年から「世界食料デー」月間の取り組みを毎年実施している。
2022は、アフリカ日本協議会やハンガー・フリー・ワールドが呼びかけ、9月22日(木)時点で37団体の国際機関、NGO、フードバンク、環境団体、食品企業、生協などが賛同し、啓発キャンペーンやイベントを展開するという。
SDGs目標2「飢餓をゼロに」達成が難しい
持続可能な開発目標(SDGs)では、2030年までに目標2「飢餓をゼロに」するという目標が掲げられているが、コロナ禍のために飢餓人口は、2022年7月の発表によると2019年の約6億9000万人から最大8億2800万人に急増しているという。
そして、気候変動や紛争、そしてパンデミックへの対応が、目標2の達成にも影響を及ぼし、2030年に目標2を達成することは難しいという見解が国連より出されている。干ばつや洪水、大型台風などは、開発途上国だけでなく、先進国にも影響を及ぼしており、コロナ禍やウクライナでの戦争による食料価格の高騰は、世界中の家計を圧迫している現状がある。
食料問題への関心を高めよう
目標2の達成には、日本を含めた世界全体で、食料支援や農業改善、栄養教育のほか、気候変動への対応や持続可能なフードシステムの構築など、これまで以上に多様なアプローチで課題解決に取り組む必要に迫られている。
そんな中、「世界食料デー」月間2022では今年、多様な分野の団体・企業を巻き込んだ発信が強化される。 食料問題への関心を高め、課題の理解を深め、そして共に行動する機会として、「世界食料デー」月間2022に注目しよう。
今年は10月に向けて、環境問題やフードロス、フードシステムなどに関するさまざまなイベントやキャンペーン、コンテストなどが開催されるほか、特設サイトでは動画、報告書、ガイド、ワークショップ教材、映画など、食料問題を多様な側面から理解するためのツールが紹介されている。
なお、「世界食料デー」月間2022の参加団体は、特設サイト内トップページ中盤の「参加団体からのメッセージ」、もしくは同ページ末尾のリストで確認できる。
この機会に、世界の貧困や飢餓問題について考えてみては。
「世界食料デー」月間2022特設サイト:https://worldfoodday-japan.net/
(よしだゆうこ)