沖縄県うるま市にある島しょ地域のひとつ、伊計島にある「伊計島共同売店」は、伊計島特産のもずくを中心とした特別セットをつくり、うるま市ふるさと納税の返礼品に出品した。
地域住民による沖縄独自の共同売店
共同売店は、1906年に沖縄県北部にある国頭村の奥集落で誕生。企業でもなく、自治体でもない、地域住民が出資をして運営している沖縄独自のシステムだ。その土地で生産されたものを販売し購入できる、相互扶助の精神で成り立つ先人の知恵の結集といえる。また、商店の機能だけでなく、その地域で生活する住民のためのあらゆる機能を果たしていた。
奥集落で誕生した共同売店の仕組みは沖縄県全域に広がり、最盛期には200店舗近くあったと言われ、現在は60店舗ほどに激減している。
共同売店は古くて新しいDAO
伊計島は、那覇空港から車で約90分の位置にある。海中道路をわたり、平安座島、宮城島のその先にある一番離れている島で、観光スポットとして人気の“車で行ける離島”だ。
伊計島にはスーパーもコンビニもなく、歩いて行ける距離にある共同売店は島民にとってなくてはならない存在。
また、共同売店は福祉的な役割も担っていて、地域住民のコミュニケーションの場であり、高齢者の認知症予防やお互いを見守る役目も果たしている。
昨今の共同売店は個人委託に切り替えるケースが増えているが、伊計島では昔ながらの自治会中心の経営方式となっており、地域住民が決定権をもち、地域住民の暮らしをよくすることを目的とするため、赤字でも事業を継続する必要がある。
住民一人一人が参画し、意思決定権もありつつ共同体として事業を行い、利益や情報を独占しない共同売店のスタイルは、これからトレンドになるであろう「DAO(自立分散型)」と近しい。“自分たちの生活を自分たちで良くしていく”という小さな集落で生まれた共同売店の仕組みは、これからの時代を生き抜く私たちにとってヒントになると考えられる。
特産品の特別セットをつくり返礼品に
「伊計島共同売店」は、1923年に伊計島住民の出資で設立されたとされるが、人口減少や高齢化の影響で存続の危機となっている。そこで、「伊計島共同売店」を多くの人に知ってもらい利用してほしいと有志が立ち上がり、島民と協働で、利用者にとって快適な店づくりや効率化、観光客向けの商品拡充、Wifi完備などを行っている。
また、伊計島特産の「もずく」を塩漬けにしたオリジナル商品と共同売店について知ることができる冊子の特別セットをつくり、うるま市ふるさと納税の返礼品に出品。詳細は、ふるさとチョイス、楽天ふるさと納税の出品ページで確認できる。うるま市ふるさと納税公式インスタグラムでは、ふるさと納税の返礼品出品事業者の想いを届けているのでフォローしてチェックみよう。
古民家が今でも残る伊計島は、集落を散歩するだけで心が癒され、
風と海、島の空気を堪能することができる。
ふるさと納税で寄付をするとともに、エメラルドグリーンが鮮やかな伊計ビーチもある伊計島に遊びに行って、共同売店を訪れてみては。
伊計島共同売店Facebook:https://www.facebook.com/ikeijima.communitystore
うるま市ふるさと納税公式インスタグラム:https://www.instagram.com/uruma_furusato/
(山本えり)