ディスレクシアの支援などを手がけるEDGE(エッジ)は、文字の読み書きに困難を抱える学習障害のひとつである「ディスレクシア」当事者が制作した記念絵画展『多才な男たち展』を10月22日(土)〜30日(日) 11:00〜19:00に開催。また、10月29日(土)にシンポジウム“NEXT EDGE 「EDGEなミカタ」 ~これまでの20年を振り返り、次世代に思いを馳せる~”をオンラインにて開催する。
適した支援を受けられていない現状
文部科学省の統計では、小中学生の2.4%が文字の読み書きができないことにより学習に著しい困難を抱えているとされているが、重篤な症状ではなく読み書きの困難を感じている人の割合は約8%程(1クラスに2~3人)と言われている。障害であると本人も周囲もわからず、授業を音声情報で伝える対応やノートに書き写す負担を軽減するタブレットの使用など、適した支援を受けられていない人が多いのが現状。
EDGEは、2001年10月から活動を開始。文科省より委託をうけて、国語、理科、社会の教科書の音声化や、読み書きに困難な子どもたちへの学習支援、困難状況を把握するための検査の実施や相談対応などを行っている。
ディスレクシアだった自身の経験
同団体会長の藤堂栄子氏は、息子が15歳の時に留学先でディスレクシアと診断された際、自身もディスレクシアではないかと思ったが、当時の日本には大人を検査する機関が無く、判明したのは13年後の60歳の時だった。行先の情報が読み取れず電車にのれなかったり、自分で書いたメモが読み取れなくて打ち合わせ場所を間違ったり、報告書がうまくかけないことがあり、「さぼっている」「やる気がない」など周囲から思われて苦労をしてきた。息子は適した支援を受け、現在では建築デザイナーとして海外で活躍している。
適した支援をうける大切さ
団体の20年の活動を通じて支援をしてきた子ども達の多くが成人。その中で活躍している人たちを紹介するイベントを開催することで、読み書きが困難な人が感じられる独自な世界観を表現し、常識にとらわれず自分らしさを発揮している姿を伝えていきたいと考えている。今苦労している子どもや大人を勇気づけて、読み書きが困難であっても、適した支援をうける大切さを伝え、自分の才能に気づく人を増やすことを目指している。
絵画展&シンポジウム
絵画展『多才な男たち展』は、ディスレクシアという才能 マッケンジー・ソープ氏、西嶋豊彦氏、藤堂高直氏という3名の異才を放つアーティストたちの作品を、江夏画廊にて展示販売する。
シンポジウム“NEXT EDGE 「EDGEなミカタ」 ~これまでの20年を振り返り、次世代に思いを馳せる~”は、1部はディスレクシアに20年前から取り組んできた宇野彰教授と藤堂氏の対談、2部はディスレクシアの若者たちが語る「藤堂高直とディスレクシアな仲間たち これからは僕らの時代だ」となっている。10月29日(土)、オンラインにて15:30〜17:00に開催。参加は無料だが、チケットの申し込みが必要。詳細はPeatixにて確認を。
『多才な男たち展』やシンポジウムに参加して、ディスレクシアについて理解を深めてみては。
■江夏画廊
住所:東京都港区麻布台3-1-5 日ノ樹ビル302
■NEXT EDGE 「EDGEなミカタ」 ~これまでの20年を振り返り、次世代に思いを馳せる~
チケット申し込み:https://npoedge20thanniversary.peatix.com
(山本えり)