デザイン会社ワサビが空間デザインを手掛けた、城崎温泉 錦水旅館の客室「白群(びゃくぐん)」が、日本を代表するデザインアワード「日本空間デザイン賞2022」で入賞した。
城崎温泉 錦水旅館の客室「白群」
錦水旅館は、木造3階建の本館の中に3つの貸切風呂を保有する城崎温泉街にある隠れ家的な宿。これまで多くの人に親しまれてきたが、子供連れでも客室内でゆったりと時間を過ごせるようにと、2021年8月にファミリー向けの客室「白群」をリニューアルオープンした。
「白群」のリニューアルに際しては、インテリアデザインを手掛ける同社と絵本などの創作活動をおこなうアートユニット・tupera tuperaがコラボレーション。それぞれの領域を超えてアイデアを交換しながら空間をつくりあげた。tupera tuperaによる城崎の魅力をぎゅっと盛り込んだ絵本『城崎ユノマトぺ』をモチーフにし、ぐるりと回遊できる大小3つの客室空間には絵本の世界観が楽しめる仕掛けがふんだんに詰め込まれている。
受賞ポイント
受賞ポイントは、城崎温泉という地域特性を可視化し、大人から子どもまで楽しめる特別な宿泊体験となるよう工夫を施した点。からだを使って絵本の世界を楽しめるよう「のぼる・おりる」「かくれる・さがす・みつける」「すきま」という要素を取り入れ、かつ行き止まりのない回遊空間にすることをデザインの骨子に定め、ビジュアルと機能・体感が渾然一体となった笑顔がこぼれる空間を目指した。
古き良きイメージが強い温泉旅館に絵本という意外性を融合するほか、
凝縮されたクリエイターの遊び心も随所にみられる。
そのほか、からだを使って客室空間を回遊できる仕掛けもあり、魅力が満載だ。
「白群」では、ただ泊まるだけではない、心に残る宿泊体験ができそうだ。
SHORTLIST(入賞)詳細:https://kukan.design/14476/
ワサビ公式HP:https://wasab.jp/
(ソルトピーチ)