2026年2月14・15日、NYにて実施 日本人デザイナー3組が世界へ向けて最新作を披露
カナダ・バンクーバーに本拠を置く「Global Fashion Collective(GFC)」は、2026年2月14日(土)・15日(日)にニューヨーク市The GlassHouseにて、コレクティブショーを実施しました。本ショーケースには、日本、インド、アメリカ、中国、台湾、メキシコなど多様な国と地域から国際的デザイナーが集結。創造性、クラフツマンシップ、文化的多様性を体現するランウェイが展開されました。
■日本からは「Marika Suzuki」「Ao Miyasaka」「OUNCHAN」が参加
日本からは、自身の精神的体験と再利用素材を用いた独自の表現で注目を集めるブランド「Marika Suzuki」、および、社会問題と向き合う強いメッセージ性と日本の職人技術を融合させた作品を発表する現代アーティスト「Ao Miyasaka」、さらに、日本の歴史的価値ある着物地を現代のシルエットへ再構築し、”記憶を着る”というコンセプトで国際展開を進めるブランド「OUNCHAN(おうんちゃん)」が参加。唯一無二のコレクションを披露しました。

Marika Suzuki《0-18 LOOKS ― 傷とともに咲く美》

【Marika Suzukiからのコメント】
■ 今回のコレクション、ショーへの想い
私は醜形恐怖症やASD、双極性障害を持っていて、自分の中で定まったルールの中で生きています。見た目に関しましても強いこだわりが10代頃から凄く強くなり、自分を沢山傷つけてきました。それを抱えながらでも時は進んで美しく傷口が花咲いていく様子を0歳~18歳にかけて(0~18 Looks)で制作しました。無理に自分の問題を解決するのではなくそれを抱えながら生きていくことも大切であると思いながら一つ一つ衣装製作を行いました。
■ 今回のショーのこだわり
芸術系の高校に通っていた頃から熱加工したペットボトルを作品に沢山取り入れるようにしています。あの有機的な形が黴(カビ)のようで私の心の闇を表現しつつ美しく魅せるツールとして素晴らしい素材だと思い、ずっと使っています。
■ ご自身にとっての服飾・デザインのインスピレーションの源泉
幼い頃から沢山ヤン・シュヴァンクマイエル監督やティム・バートン監督の映画を沢山見てきました。最近ですと『哀れなるものたち』等を制作したヨルゴス・ランティモス監督や『メランコリア』等で有名なラース・フォン・トリアー監督の映画もインスピレーションの源になっていると思います。
■ ショーを終えてのご感想
とにかく安心しています。
私の使う素材はシーグラスの再利用だったりペットボトルだったりするので他の頑丈な素材とは少し扱いが違います。それを破損することなく、多くのモデルさん達が最後まで笑顔で着用してくれたことが何よりも嬉しかったので。
■ 今後に向けて
映画や舞台、アイドルの衣装など、少し現実離れした衣装を私の世界観で作ることができたらと思います。

Marika SuzukiMarika Suzukiは、衣服を“着るアート”として捉えながら制作を行うファッションリサーチャー兼デザイナー。衣服を人の身体に直接作用する「空間芸術」と位置づけ、身体的体験を通して概念や内面世界を伝達するメディアとしてファッションを探究している。
Marika Suzukiのクリエーションは、「不完全さと共存する」という思想を軸に展開される。衣服を単なる実用品ではなく、個人の記憶や精神状態を可視化する装置として提示することで、着用者や観る者の自己認識に静かな揺らぎをもたらすことを目指している。近年は、素材研究とコンセプトを横断するアプローチにより、ファッションを芸術的リサーチの領域へと拡張し続けている。
https://www.marikasuzuki.design/
Ao Miyasaka《Death to Violence ― 視線を更新するためのファッション》

【Ao Miyasakaからのコメント】
■今回のコレクション、ショーへの想い
今回のコレクションでは「Death to Violence(暴力への死)」「R.I.P. to my past self(過去の自分への弔い)」というキーワードを掲げました。
スプレーで描かれたボディライン、象徴的な赤、そして京都の職人による特注の「般若」というマテリアルを用いてコレクションを制作しました。
テーマの根底にあるのは、家庭内暴力の連鎖、性犯罪といった、決して他人事ではない社会問題です。無関心が悲劇を生み、無知が人を傷つける。だからこそ、「私を見てほしい」という表現ではなく、観る人が“自分自身”にベクトルを向けるきっかけになればという想いで制作しました。
日本の文化・精神性・職人技術への深いリスペクトを込め、素材・縫製・ビーズ・刺繍に至るまで、すべて日本の職人と対面で連携し、妥協なく作り上げたコレクションです。
■ 今回のショーのこだわりは?
般若LOOKとGRAFFITIで生まれたボディラインです。
・株式会社山崎ビロード様の和紙×ベルベットのテキスタイル
・京都 中煒能翔先生による特注の般若
・トーホー株式会社様、株式会社森口合成様のビーズ
般若とは、怒りと悲しみの感情が込められた面で、まだ鬼になりきっていない姿です。アーティストとして生きると決めた時の感情と重なり般若を使用させていただきました。
また、和紙ベルベットやビーズには「ものづくりへの情熱と愛情」を感じており、ただの素材ではなく職人の想いを伴う日本の宝として使用させていただきました。
また、GRAFFITIから生まれたボディラインは、私のもつテーマをファッションに繋げた一番の理由が示されています。
私はこれまでの経験からボディラインの出る衣装や表現に対し拒絶反応がありました。しかし、それは表現自体に問題があるのではなくそこに向けられた「視線や扱い」に対する嫌悪感でした。
世界中のアーティストが身体をエンパワメント的な表現に落とし込む中で、身体に対する鑑賞者と表現者の価値観のズレは表現自体に対する雑なフィルターになっていると感じました。
「表現の自由」を更新するために、「視線の更新」が必要だと感じこのようなファッション表現を行いました。
■ 自分自身にとっての服飾、デザインのインスピレーションの源泉は?
自分の実体験と日本の精神性です。
2000年に長野県松本市で生まれ、現在は東京都新宿区を拠点に活動していますが、原点は小学生の頃に鍵を削って壁に描いていた文字や絵です。
■ ショーを終えて(感想)
制作、ショーに関わってくださったすべての方々へ、心から感謝しています。
今回の経験は今後行う全ての表現に対して必要性と自信をもらいました。
■ 今後に向けて
今回のNYFWを経て、3月の楽天ファッションウィーク(東京コレクション)への出展が決定しました。アパレルブランドのサイクルで活動する予定はありませんが、ファッションという表現は、人を介して広がる“底力”のあるものだと思っています。3月17日のショーに向けて、着実に自分の表現を積み重ねていきます。

Ao Miyasaka2000年長野県松本市生まれ。東京都新宿区を拠点に活動する現代アーティスト。
2021年、表参道GALLERY ROJIにてペインティングによる初個展を開催。その後、日本各地の繊維産地や伝統文化を学ぶ過程でテキスタイルアートの道に進む。
日本を拠点に、ニューヨーク及びアジア諸国で展示やショーを行い、2026年2月15日にはニューヨーク・ファッションウィークにて1st Collectionを発表。
作品制作においては、使用する生地や宝飾に関わるすべての産地にお伺いしface-to-faceの物作りを行っている。
1st Collectionでは「身体美」に対する視点の更新をテーマに掲げる。
世界中のアーティストが身体美をエンパワメント的な表現として発信する中で、近年日本における身体表現に対する「視線」を更新する必要があると感じ制作を進めた。
表現者と鑑賞者の身体に対する大きな価値観のズレが、女性の身体に対する価値観を軽んじることや表現者自身の本当に伝えたい想いとズレてしまうことに違和感が生まれていた。
こうしたズレはエンターテイメントやアートの世界に留まらず性別に区切りなく、私たちの実生活の中でセクシャルハラスメントや痴漢といった犯罪、更には被害者に対する心無い言葉に繋がる。
「視線の更新」は出来たらいい、した方がいい、そうだったらいいよね、というものではなく現代において必然的な価値観の更新であると考える。
日本らしさが静かな上品さで終わる時代ではない。着物以降の日本らしさとは何か。
伝統文化や最新技術を学ぶ中で着物的、江戸時代的な価値観を現代に発展させるクリエイティブの上に「視線」の更新を試みる。
https://www.instagram.com/ao_miyasaka/
OUNCHAN(おうんちゃん)《Mythic Birds ― 記憶を纏う再生の物語》

【OUNCHAN 代表:渋谷純子からのコメント】
■今回のコレクション、ショーへの想い
今回のコレクション「Mythic Birds(神話の鳥)」は、" 記憶が飛び立つ=再生 ”をテーマにしています。
留袖・訪問者・振袖・打掛など、長い時間を家族の物語と共に過ごした正絹の着物地を、いまの身体と生活に合うシルエットへ変換し、クローゼットに眠っていた美しさを「着る記憶」として蘇らせたいと思いました。
伝統を全く違うものに変換するのではなく、消さずに活かしながら、今日の街と舞台を歩ける服ヘーーその決意を、NYのランウェイで形にしました。
■今回のショーのこだわりは?
こだわりは大きく3つです。
1つ目は、翼や羽根を想起させるドレープ、パネル構成、そして鳥のモチーフが持つ”軽快さ”と”力強さ”の両立。
黒・金・赤・藍・緑といった色のコントラストで、構築的なのに空気を含むようなラインを作っています。
2つ目は、着物の柄配置。元の意匠が”物語として見える位置”に残るように、切り替えやパネルを設計しています。
3つ目は、着心地と動き。車いす関連の縫製で培った立体裁断の感覚を活かし、見た目だけでなく「動いた瞬間に美しい」ことを重要視しています。
■自身にとっての服飾、デザインのインスピレーションの源泉は?
私の源泉は、生地の中に残る”時間”や”記憶”です。
着物は織り・染め・描き・刺繍など、職人の技と家族の歴史が折り重なった生地で、本来はとても豊かな文化資産ですが、使われないままタンスに眠っていることも少なくありません。それを何とか活かしたいという気持ち。
そして、様々な方の「着られなくなってしまった母親の着物を何とかして着られるようにして欲しい」というお声と想い。
それらが、「記憶を着られる形にする」私のデザインの核になりました。
■ショーを終えて(感想)
このショーを終えて強く感じたのは、着物の素晴らしさは”国を超えて伝わる”ということです。言葉が違っても、生地の奥にある時間や手仕事の密度、そして身にまとったときの存在感は、見る人に直接届く。
今回のランウェイで、着物が「保管されるもの」から「今日を生きる服」へ移っていく瞬間を共有できたことは、私にとって大きな確信になりました。
■今後に向けて
OUNCHANを”日本の歴史的価値ある生地を、現代のグローバルファッションへ接続するブランド”として精力的に活動し、失われかけた着物文化の再興を目指していきたいと考えています。
そして、国際的な発表の場や、選び抜かれたリテールでの展開を増やしながら、「記憶を纏う」ということが、きちんと伝わる形で世界に届けたいです。
同時に、長く着られる品質と、日常にも特別な日にも成立する洗練されたシルエットを磨き、眠っていた着物が次の世代の象徴として世界を旅していくーーその未来を現実にしていきます。

OUNCHAN(おうんちゃん)日本人デザイナー渋谷順子は、大切にしていた着物をジャケットへと仕立て直したことをきっかけに、「記憶を纏う」というコンセプトのもとOUNCHANを設立。日本の“生きたアーカイブ”ともいえる着物文化に新たな命を吹き込んでいる。3Dカッティングと緻密なパターンワークを融合させたアップサイクル作品は、海外の顧客から高い評価を受け、リピートオーダーやラグジュアリークルーズ市場での展開へと広がっている。
「着られる記憶が世界を旅する」というビジョンのもと、持続可能なラグジュアリーの在り方を提示し続けている。
https://www.instagram.com/ounchan_kimono
<他国の参加デザイナー>

Sanjukta’s Studio(India)
https://www.instagram.com/sanjukta_dutta_/

Nar Rew Ekar(USA)
https://www.instagram.com/shoshonihostler/

RuirUiruI(China)
https://www.instagram.com/ruiruirui_official/

Releve(USA)
https://www.instagram.com/releve_newyork/

Yulin Haute Couture(Taiwan)
https://www.instagram.com/yulin_hautecouture/

NOLO(Mexico)
https://nolomex.com/

Perry Jones(USA)
https://www.instagram.com/perryjonesll/

Carlton Jones(USA)
https://www.instagram.com/carltonjonescollection/
■「Global Fashion Collective X NEW YORK F/W’26」開催概要
開催日程:2026年2月14日(土)・15日(日)
会場:The GlassHouse
住所:660 12th Ave, New York, NY 10019, USA
主催: Global Fashion Collective

【Global Fashion Collective】について2017年10月に設立されたグローバルファッションコレクティブ(GFC)は、世界のファッションの才能の未来を育成することに専念しています。ニューヨークファッションウィークや楽天ファッションウィーク東京などの名だたるイベントで活動し、ロンドン、ミラノ、パリファッションウィークでもショーケースを開催しています。
国際的に多様なプロフェッショナルチームがデザイナーを支援し、ファッションの世界で成功への道を共同で築いています。
GFCは、あらゆる人々やバックグラウンド、アイデンティティを受け入れ、尊重する多様な環境を育成することで、ファッションの未来を再構築することに取り組んでいます。世界中からの才能を育成することを約束し、ファッションショー にとどまらず、影響力のある体験を創造しています。私たちは未来の才能のための道筋を作り出しています。
WEBサイト https://www.globalfashioncollective.com/