「宇宙日本食」として認証されているホテイフーズコーポレーションの「ホテイやきとり(たれ味)宇宙用」「ホテイやきとり(柚子こしょう味)宇宙用」が、海外宇宙飛行士の「宇宙食(ボーナス食)」に選ばれ、国際宇宙ステーション(ISS)に搭載された。
海外宇宙飛行士の「ボーナス食」として搭載
「ホテイやきとり(たれ味)宇宙用」「ホテイやきとり(柚子こしょう味)宇宙用」は、海外宇宙飛行士による試食等の評価が行われた結果、搭載品に選ばれたという。
これにより、「宇宙日本食」が初めて、国際宇宙ステーションに滞在している海外宇宙飛行士(Crew-4)向けのボーナス食としてISSに搭載された。
日本人宇宙飛行士は以前からボーナス食として、「宇宙日本食」を持って行きISSで食べていたが、今回外国人宇宙飛行士にも選ばれたことで、「宇宙日本食」をISSの「標準食」(※)とする活動にも期待しているそうだ。
娯楽の一つである宇宙生活での食事
宇宙生活において、食事は単なる栄養補給に留まらず、宇宙飛行士にとっては娯楽の一つとしてストレス緩和の側面を持つそうだ。そのため、基本支給される宇宙食の他に、各国の宇宙飛行士に合わせたその国ならではの宇宙食の開発が進められてきた。これが日本の場合、JAXAが認証する「宇宙日本食」となる。
厳しい条件の宇宙日本食
「宇宙日本食」は「宇宙空間で飛び散らない」「常温で1年半以上の賞味期限」「限られた設備で調理可能」といった基本条件の他、「宇宙日本食認証基準」を満たすべく、書類審査や1年半の保存試験、審査機関立会いの工場検査など厳しい条件を乗り越えなければならないそうだ。
そのため、これまで認証された「宇宙日本食」の多くは宇宙専用商品であったり、市販品の仕様や製造工程、包材などを宇宙用にカスタマイズしているそうだ。
市販品が基本条件をクリア
しかし、同社の「やきとり缶詰」は、市販品が基本条件をクリアしているだけでなく、製造工程、特に衛生管理面もJAXA基準を満たしており、申請から2年7ヶ月で認証取得に至ったそうだ。
違いはデザインだけ
やきとり缶詰の場合、「宇宙日本食」と市販品の違いは基本的にデザインが施されているか無地缶かということだけであり、地上で普段食べているものと同じクオリティのものを宇宙空間で食べることができるそう。
言いかえれば、普段何気なく食べているやきとり缶詰が実は宇宙食レベルで管理されている安心安全な食品ということになる。
この機会に、若田宇宙飛行士の長期滞在ミッションを応援しながら、そして宇宙へのロマンを感じながら、やきとり缶詰を楽しんでみては。
(※)「標準食」とは、現在NASAとロシアが提供している宇宙食で、ISSに長期滞在する全ての宇宙飛行士がこの「標準食」をメインに食べている。「ボーナス食」とは、「標準食」とは別に、宇宙飛行士個人が選んで持っていくことができる宇宙食。
(角谷良平)