頼朝公像プロジェクト委員会と静岡県島田市は、12月23日(金)~25日(日)の3日間、島田市博物館にて「頼朝公像 里帰り特別展示」を開催している。
頼朝公像 里帰り特別展示
島田市で倒木した名木・頼朝杉から制作された「源頼朝公像」の特別公開のほか、博物館所蔵の頼朝公や千葉山智満寺にまつわる資料、倒木からお像制作にいたるまでのエピソード等を展示。
新たな息吹を吹き込まれた頼朝杉の物語を頼朝公像と共に観覧できる企画展だ。また、入館料は無料で、事前予約も必要なく、誰でも参加可能だ。
展示内容
「頼朝公像 里帰り特別展示」は、「源頼朝公像」の公開をはじめ、お像の制作者・江里康慧仏師へのインタビューや制作過程の紹介、頼朝公が長き時を過ごした伊豆の風景が表現された美しい截金細工が施された厨子の1部を解説と共に展示。
さらに、頼朝杉にまつわる伝承や、頼朝公像に先立って制作された弥勒菩薩像のエピソードなども詳しく紹介する。
頼朝杉
静岡県島田市の千葉山、智満寺の境内で10年前に空洞化が進み自然倒木した頼朝杉。
推定樹齢800年、かつて源頼朝が挙兵前に天下治平の大願成就を祈念して植えたと伝承される名木で、樹高約36メートル・直径約3メートル・目の高さの幹の周囲9.7メートル、国の指定天然記念物の大杉だった。
樹高の三分の一ほどが空洞になっていたのが豪雨に耐えかね、根元から南側の急斜面に向かって倒木。本来なら傍らの薬師堂を直撃しても不思議でない位置にありながら、なぜか避けるように倒木した。
倒木しても強い想いや愛着は消えない
地元の人々に愛され守られ続けてきた頼朝杉は、800年もの長き間ずっと日本の歴史を見守ってきた。
倒木により、もう生きた樹木としてはこの世に存在しなくても、木に宿った強い想いや愛着は消えない。流刑の地で再起を誓った頼朝公の「大願成就」の強い思いを年輪に刻み続けた名木は、今そのかたちを変え、今を生きるわたしたちに寄り添い、支えとなり、さらにこころゆたかな未来へと紡がれていくことだろう。
■頼朝公像 里帰り特別展示
開催日時:12月23日(金)10:00~17:00入館は16:30まで、24日(土)、25(日)9:00~17:00入館は16:30まで
会場:島田市博物館本館 特別展示室(2階)
住所:静岡県島田市河原1丁目5番50号
入館料:無料
(角谷良平)