UNAラボラトリーズは、丸太から仏像を彫るワークショップ「みんなで達仏をつくろう」を、熊本県津奈木町の「つなぎ美術館」にて、2023年1月21日(土)に実施する。
「達仏」メンテナンスの端材を活用したワークショップ
UNAラボラトリーズは、九州の文化を探求し、研究・出版・文化ツーリズム事業を通して、訪れる人と共にさらなる魅力を生み出すトラベル・デザイン・ファームとして活動している。
今回のワークショップは、熊本県より委託を受けてUNAラボラトリーズが開催。野外作品「達仏(たつぶつ)」メンテナンスの端材活用を想定したワークショップを試行的に実施するものだ。
「達仏」とは、現代アーティストの西野達さんが津奈木町役場庁舎横の「みんなの森」に制作した作品。2016年から2017年にかけて実施した住民参画型アートプロジェクトの成果展での展示を目的に制作された。西野さんの作品は、展覧会終了後に解体されるため、「達仏」はパブリックコレクションによる常設展示として、日本唯一、世界でもフランスのナントに次いで2箇所目となる。
「達仏」は、ウバメガシの森の生木に彫られた三十三体の黄金色の仏像で、過去の記憶を源泉に活力ある未来を願う祈りの眼差しが、訪れる人々を霊気漂う不可思議な世界へいざなう。
生木に直接彫られており、時間が経つとキノコが生えたり木の枝で見えなくなったりするので、毎年定期メンテナンスを実施している。西野さんをはじめ、彫刻家の森英顕さん、崇城大学で彫刻を学ぶ学生などが参加し、キノコなどを落とす作業、枝の切り落し、金色の塗料での仕上げなどを数日かけて行っている。
ワークショップで使う丸太は、メンテナンス作業直後の時期には剪定作業で発生したウバメガシの端材を、それ以外の時期には香りも楽しめるクスノキを使用する予定だ。
なぜワークショップを行うのか
「みんなで達仏をつくろう」は、2018年に「つなぎ美術館」で開催された森英顕さんの個展「I have a dream」の関連プログラムとして一度実施され、好評を博したワークショップ。生木に大まかなラインを描き、ノコギリやノミ、彫刻刀で彫っていく。約4時間かけてコツコツ彫った後、金色に色付けを行い、世界にひとつだけの「ミニ達仏」が完成する。
今回は、来年度以降の継続的な商品化を目指し、森さんの指導で丸太から仏像を彫るワークショップを試行的に実施する。
津奈木町は、令和2年7月豪雨により甚大な被害を受けたことに加え、新型コロナウイルスの影響により、都市部からの交流人口の減少や飲食店を中心にした集客数が大幅に減少している。また、水俣病からの地域再生を目指して1987年からアートを通じた町の活性化に取り組んでいるが、その認知度は十分に高いとは言えない状況だ。
ワークショップの開催は、町ならではのアートを核とした体験型イベントを継続的に実施することで、町の魅力をより多くの人に体感してもらうことを目的としている。
プログラム概要
ワークショップ「みんなで達仏をつくろう」は、参加無料。対象年齢は中学生以上。募集人数は最大10名程度で、申込受付は2023年1月9日(月)まで。応募者多数の場合は抽選となる。
この機会に、世界にひとつだけの「ミニ達仏」を作ってみては。
イベント詳細:https://unalabs.jp/news/4138/
申込:https://forms.gle/VSD7Ucz36HPWhggD7
■つなぎ美術館
住所:熊本県葦北郡津奈木町岩城494
(山本えり)