有馬温泉では、有馬モダニズム時代へのタイムスリップを体験できる「有馬に恋さん」イベントを開催中だ。和装またはクラシックカーで来訪した人が41店舗の参加店にて優待サービスが受けられるほか、クラシックカーの展示や、有馬芸妓によるモダン舞踊の公演などを行う。
有馬で恋するモダンガール
神戸居留地文化に、阪神間で活躍した文化人たちの価値観が混ざり合い、大正から昭和初期にかけて有馬に独特の「阪神間モダニズム」文化が花開いた。有馬では外国人専用ホテルやオランダ人建築の本温泉が、その後の有馬モダニズム時代には、老舗旅館にもダンスホールや応接間が作られた。当時の生活文化は、谷崎潤一郎が小説「細雪」の中でカラフルに描いている。
同作に登場するのが、蒔岡家の四人姉妹の四女・妙子こと「こいさん」。こいさんとは「小娘(こいと)さん」の略で、大阪の船場言葉で末娘のことを指す。
その魅力的な「こいさん」が今、「恋さん」として生まれ変わり、有馬温泉街を舞台に自由気ままな恋模様を描く。
和装・クラシックカーご優待
「和装・クラシックカーご優待」では、1月7日(土)〜31日(火)の期間、和装、またはクラシックカーで訪れる観光客に対して、旅館・ホテル・飲食店など全41の参加店舗が各々独自の優待を実施する。優待対象店や優待内容は、公式サイトにてチェックしてみて。
クラシックカー展示やモダン舞踊公演
「クラシックカーの特別展示」では、1月7日(土)〜20日(金)にパン・ド・ボウ前にて、今では貴重なクラシックカーを展示。和装ファッションに合わせてSNSなどで発信してみよう。
1月10日(火)・11日(水)・17日(火)・18日(水)には、有馬芸妓によるモダン舞踊の公演を実施。有馬ならではのモダン舞踊「カラカラハイカラストリート」をはじめ、参加者の中から和楽器や小道具の使用体験をしてもらう。無料で有馬独自の芸妓文化を楽しめる機会となっている。各日11:00と12:30の計8回、芸妓カフェ・一糸(いと)にて開催する。
動画の配信も
また、1月14日(土)より、「How To モダン和装」動画の配信も。着物研究家のシーラ・クリフさんが、モダン和装を体験したい女性宅に訪問し、タンスに眠る着物と普段着の洋服や小物がどのように合わせることでお洒落で簡単に着こなせるかを伝授する。
そのほか、古い建物を残していくにあたっての課題や、自分たちでも貢献できることなどについて知ってもらう「オンライン講演会」の動画も、1月21日(土)より前編と後編に分けて配信する。「古い建物の継承と活用(仮題)」について、旧グッゲンハイム邸管理人・音楽家の森本アリ氏、茅葺座の大橋秀平理事長と長井伸晃理事が語り合う。
どちらも公式サイトと公式YouTubeアカウントにて配信されるので、チェックしてみて。
「有馬に恋さん」イベントに参加して、有馬モダニズム時代へタイムスリップしてみては。
有馬に恋さんHP:https://arimanikoisan.com
■パン・ド・ボウ
住所:兵庫県神戸市北区有馬町835
■芸妓カフェ・一糸
住所:兵庫県神戸市北区有馬町821
(山本えり)