説話社から、古今東西の奇怪で珍妙な呪法が1冊にまとまった『愛法と呪法の博物誌』が、1月31日(火)に発売された。
著者は作家・宗教研究家の藤巻一保氏
雑誌・書籍編集者を経たのち、宗教を軸とした歴史・思想・文化に関する著述活動を行う、藤巻一保氏による『愛法と呪法の博物誌』4,950円(税込)。
同書は、2005年にGakkenより発売された『呪いの博物誌』に大幅な加筆修正を加えて、改題したものだ。
ドロドロこそが人間の本質的・根源的なもの
取り上げている呪法は、どれもが「ドロドロ」としたものばかりで、読む人は目を背けたくなるものもあるかもしれない。
しかし、著者はこのドロドロこそが人間が人間である以上は避けて通れない、人間の本質的・根源的なものであるといい、共生すべきものであると述べている。
より一層混沌としたものに向かっている
今回、図録を含めて大幅に修正するにあたり、著者は原著で示したこの状況は、現代になり、より一層混沌としたものに向かっていると指摘。
「人間そのものが抱える“ドロドロの現実”は昔と同じでも、人間社会を成り立たせ、動かしていく仕組そのものが、根本から変わってきている。古人と同じようにモノや人や自然とじかに関わりあいながら生きることができない新たな世の中で、人間の心がどうなっていくのか、先行きは見えない。」と語っている。
古今東西にわたる奇怪で珍妙な呪法
同書では、古今東西にわたる奇怪で珍妙な呪法を紹介。
第一章は、「浮気封じに恋占い丑の刻参りなどの色恋の関する愛憎の呪法」、
第二章は、鬼婆などによる「脳髄に糞尿、バイアグラなどの猟奇的薬物とその生成呪法」、
第三章は、猫またや、
厄払いについて語られている「悪魔、魔女、巫女に死霊などの黒魔術」、
第四章は、「縁起かつぎや摩訶不思議な民間呪文など」、第五章は、キツネの窓が出てくる「イカサマ呪術やエセ祈祷」、
第六章は、「“結び”と呪術の関係」など、各種の愛法・呪法が登場する。
ちょっと怖いけど覗きたくなる『愛法と呪法の博物誌』で、古今東西の奇怪で珍妙な呪法について学んでみては。
説話社公式サイト:https://www.setsuwa.co.jp/
(佐藤ゆり)