京都府京都市の「隄染工」は、コロナ禍で店舗にて伝統工芸体験に触れることができにくい現状から、気軽に自宅で京友禅を体験できる「おそめせっと」7,700円(税込)を開発した。専用サイトにて2月1日(水)から販売中だ。
京都の歴史ある伝統工芸を未来につなげる
京友禅の引染一筋で創業百年以上の歴史を守り続けている「隄染工」。近年は若年層を中心に着物人口が減ってきている。生活の西洋化、着物の高額化、着物を着る機会の減少などが要因に挙げられるが、このことは京友禅の伝統工芸の技の衰退にも直結していることも否めない。また、着物離れをくい止めるために機械化されたローコストな商品の量産も伝統技術の継承をきびしくしている。
同社は、世界に誇れる日本の伝統技術の結実である着物の未来を信じ、自らの手が生み出す本物の技を信じ伝統工芸「引染」を継承し続け、若い人に本物の技を伝え続けたいと考えている。
自宅で気軽に京友禅を体験
コロナ禍で引き染め体験の予約数が減少するなかで、思い出したのは体験者の「楽しい」「また来たい」「今度は娘と、孫と」という声だったという同社。
そんな声から、手軽に自宅で京友禅を楽しんでもらえないかと考えた末、誕生したのが「おそめせっと」だ。
職人のこだわりを楽しめるように構想
今回事業に参画しているのは、「京友禅染引き・隄信雄氏」「京友禅染引き・三ツ井倫冝氏」「手描友禅・吉田麗氏」「京友禅・安藤充泰氏」の4人の職人。プロデューサーの「デザイン縫製士・白川ちづる氏」が、職人たちのこだわりを購入者が楽しめるよう構想し、京都独特の粋を気軽に自宅で体験できる商品が誕生した。
ランチョンマットの生地のほか、普段使いもできるようにトートバックも用意されている。
パッケージの筒は環境に配慮した紙の素材を使用し、カラーバリエーションは好みに合わせて選べる5色展開。
「おそめせっと」を作成した後も筒をオブジェクトとして使えるように、京友禅の生地を張り京都独特の粋な雰囲気を表現している。
また、海外から来る人にも楽しんでもらえるよう、制作の過程を動画で作成。日本語の字幕だけでなく英語の字幕も用意されているので、興味のある人はチェックしてみて。
「おそめせっと」は二個以上の購入で送料無料となるので、自宅や学校などで家族や友人と一緒に京友禅を楽しんでみては。
おそめせっと制作過程動画:https://youtu.be/Ac4ylussrB4
おそめせっと販売サイト:https://www.meib.jp/osomeset/
(山本えり)