東京・新宿にある√K Contemporary(ルートKコンテンポラリー)は、2月25日(土)~3月25日(土)の期間中、現代アーティスト 浜田浄氏の大規模個展「Ebb & Flow ― 続くあしあと ―」を開催する。
浜田浄氏、約60年にわたる画業の変遷
浜田浄氏初期の版画作品から、新作までを展示する大規模な個展だという本展。
地下から2Fの3フロアにわたり、浜田氏の初期の版画作品、80年代に発表したドローイング、そして90年代以降から「削る、引掻く、重ねる」といった、様々な手法を用いて描かれてきた作品群を展示する。浜田浄氏の約60年にわたる画業の変遷を見てほしいという。
本展について
浜田浄氏は1937年、高知県生まれ。1961年に多摩美術大学を卒業。大学卒業後、戦後の現代美術界に大きな影響を与えた斎藤義重氏との出会いなどを経て、独自の抽象表現を追求。
同氏の創作活動は1960年代に版画から始まったとし、黒い面に赤く浮かぶ線、自身の心象風景をミニマルに落とし込んだ版画作品は数々の賞を受賞した。
しかし、同氏は作品の工程が自身の手で完結しないことに違和感を覚え、80年代に鉛筆と紙を手にし、最もシンプルな素材を使い線表現への挑戦を始めた。ここから、何層にも塗り込んだ絵具を引掻く、削る、木材を積み重ねるなど、多種多様な手法を用いた表現が創出されていく。
浜田作品は常にその手法が刷新され、新たな表現へと変化していくが、水が形を変えながらも本質を変えないように、大きな流れの中で同氏の姿勢や思想は一貫しているとも。
出展作品
出展作品は以下のとおり。なお、作品は変更になる可能性がある。
17-F-1、2005 油彩、キャンバス、紙
4-12-24、2022 アクリル、キャンバス
3-3-30、2021 アクリル、油性マーカー、キャンバス(撮影:MGMフォートサービス)
5-2-9、 2023 アクリル、油性マーカー、キャンバス
24-6-16、2012 アクリル、合板
3-5-12、2021 アクリル、油性マーカー、キャンバス
「描く、削る、引掻く、重ねる」といった身体行為の反復と、時間の集積によって精緻且つ精神性の高い作品を生み出している同氏の作品を楽しんでみては。
会場:√K Contemporary
住所:東京都新宿区南町6
Webサイト:https://root-k.jp/exhibitions/kiyoshi-hamada-ebb-and-flow/
(さえきそうすけ)