「女性と女子」にフォーカスした国際協力活動を行うケア・インターナショナル ジャパンは、3月8日の国際女性デーにあわせ、女性フォトグラファーの作品のみを扱うオンライン写真展「今をいきる、明日をつくる」を3月1日(水)~31日(金)の期間で開催中だ。
国際女性デーについて
1975年に国連が3月8日と定めた「国際女性デー(International Women’s Day)」は、国・民族・言語・文化・経済・政治の壁に関係なく、女性がこれまで達成してきた成果を認識するとともに、女性たちの権利やジェンダー平等を広く呼びかけていく日。
毎年世界中で記念行事が行われており、今年のテーマは「DigitALL: Innovation and technology for gender equality(ジェンダー平等のためのイノベーションとテクノロジー)」だ。
人類が直面する課題を写真で伝える女性たち
そんな国際女性デーに先立ち、1ヶ月間のオンライン写真展がスタートした。
同展の作品は、すべて女性フォトグラファーによるもの。撮影者は、サモア、シエラレオネ、バングラデッシュ、ホンジュラス、そして世界各地の難民キャンプなどで、貧困、気候変動、出口の見えない紛争、感染症の世界的流行など、今人類が直面している社会課題を写真というテクノロジーを用いて伝えている人たちだ。
作品は、「今をいきる女性たち」と「明日をつくる女子たち」に分かれており、フォトグラファーの紹介とともに、作品の背景ストーリーが紹介されている。
フォトグラファーのひとり、アレクシア・レイさんは、「幼い頃、目に映る光に夢中になっていたことを覚えています。太平洋の暖かい海から反射する光も、熱帯の木々からこぼれる光も、世界は魔法の遊び場でした。そして今、若い女性として、美しい人々とともにその光を捉えることができる仕事を追求することは、まさに夢の実現です。光のように、世代を超えて語り継がれるストーリーを生涯かけて伝えることができるなんて、なんと光栄なことでしょう。(一部抜粋)」とメッセージを発している。
国際協力NGO「CARE」の取り組み
1945年から100か国以上で人道支援活動を実施してきた世界最大級の国際協力NGO「CARE」が行った画像監査では、2021年に「CARE」が保有する画像のうち、男性によって撮影されたものの割合は61%。そしてその多くが先進国出身者によって撮影されていたことが明らかになった。
「CARE」の組織内公約のひとつに「ローカルの女性人材に投資する」ことが掲げられており、フォトグラファーの採用においても、その追及を進めている。その結果、翌2022年の監査では、男女比が逆転し、64%の画像が女性、その多くが途上国・新興国、いわゆるグローバル・サウス出身のフォトグラファーによる撮影であることが確認された。
同展を開催するケア・インターナショナル ジャパンは、「CARE」の一員であり、2022年度に創立35周年を迎えた団体。災害時の緊急・復興支援や「女性と女子」の自立支援を通して貧困のない社会を目指している。
同展を通じて、世界の課題と、それを写真で伝えるフォトグラファーたちに目を向けてみよう。
オンライン写真展「今をいきる、明日をつくる」URL:https://www.careintjp.org/photo_gallery_iwd_2023.html
(Higuchi)