雄大な富士山と河口湖を背景に中世ヨーロッパを模した庭園美術館「河口湖音楽と森の美術館」は、富士山世界文化遺産登録10周年を記念した第1弾イベントとして、アンティークの世界の魅力を音とレースで伝える展示販売店「ル・メルヴェイユ」を、3月25日(土)、ミュージアムショップ2階にてオープンする。
アンティークレース×アンティークオルゴール
「ル・メルヴェイユ」では、伝統工芸の最高峰であるアンティークレースと同館所有のアンティークオルゴールの融合をインスタレーションにて実現。世界的に有名なアンティークレースコレクターのダイアン・クライス氏より譲り受け、アンティークレースの魅力を様々な形で表現している「VINITIQUE」の瀬口美香氏によるレースと、オルゴールによる究極の融合だ。
「VINITIQUE」は、瀬口美香氏が起業したストール・ブランド。瀬口氏は、2006年、古いドレスをリメイクしてストールをつくりはじめる。2014年、神宮前にオートクチュールストールのサロンをオープン。急速に失われていく伝統を新しい視点で捉え直し、フランスやイタリア、日本などの貴重な天然素材を用いて一枚一枚ハンドメイドで仕立てている。2019年からは、アンティークレースを現代に蘇らせるプロジェクトをスタートした。
ヨーロッパにおいてレースは、生まれた時の洗礼式にはじまり、結婚式など人生の節目で身に纏う大切なもの。膨大な時間とエネルギーをかけて生み出されたレースに包まれることは、美術館所蔵のオルゴールや、その音色に包まれる体験と同じように、人々に祝福と希望を与える。またアンティークオルゴールも同様、何人も何代にも渡って生み出された。
アンティークの世界を伝える展示販売店
すばらしいものは年を重ねるごとにいい味になる。同店は、音とレースという、まさにアンティークの魅力を存分に味わえる展示販売店となっており、展示では、アンティークレースとアンティークオルゴールの融合した音響室にて、100年以上もの年月を経た究極の融合がインスタレーションにて実現。さらに、何代にも渡って生み出されたアンティークレースの細かな手業を実体顕微鏡で見ることができる。
アンティークオルゴールは、突起のないディスクと編曲の美しさが特徴の「メルモド フレール スタイルNo.168 ステラ」、
華やかな演奏を行う「エムエムシー インターチェンジャブル オーケストラボックス」、
蓄音機とオルゴールの兼用機「コロンビア グラフォノーラ」を展示する。
また、音の響きを計算しミリ単位まで削るという職人の生み出したヴァイオリンも販売。職人のあくなき探求心と向上心によって生み出された手業の極みである芸術品の魅力を堪能できる。
「ル・メルヴェイユ」を訪れて、アンティークレースとアンティークオルゴールの究極の融合を体験してみては。
■河口湖音楽と森の美術館
住所:山梨県南都留郡富士河口湖町河口3077-20
営業時間:10:00~17:00(16:00最終入館)
HP:https://www.kawaguchikomusicforest.jp
(山本えり)