教育と探求社は、地域の可能性を発見しイノベーションを生み出すプロジェクト「engine(エンジン)」を開発し、この度、よこすかラボと協力して「よこすかengine」プロジェクトをスタートした。このプロジェクトでは、中高生向け探究学習プログラムを開発・提供する教育と探求社の地域探究プログラム「engine」を活用し、横須賀市内の中高生と企業が共に、横須賀市の持つ可能性を発見し、地域の未来を創造していく。
今年度はパイロット版として、三浦学苑高等学校の普通科総合コース1年生約270名と横須賀市の企業5社の協働で始動する。
人口流出問題が深刻化する横須賀市
横須賀市は、2013年転出超過数が全国1位になったことを皮切りに、人口流出問題が年々深刻さを増している。ついに今年5月時点で37万8,352人となり、自動車産業や造船業などの製造業の大幅撤退により、現在も人口転出に拍車がかかっている。それに伴い空き家問題や働く場所の減少なども問題となっている。
このような状況の中、生まれ育った地域と主体的に出会い直し、横須賀ならではの歴史の継承と学び続ける人材の育成、そして世代を越えたコミュニティづくりのさらなる強化が求められている。
横須賀市の新たな可能性を市の中高生×企業で創出
「よこすかengine」では、こうした横須賀市ならではの地域特性を踏まえた探究活動に、中高生と企業が取り組む。
生徒は「地域イノベーター」として、企業のリソース(事業の特色や強み)と、地域のリソース(魅力や可能性)をかけ合わせ、横須賀市をより良くする「イノベーションプラン」を考え、企業に提案。学校の正規の授業で約半年間かけて取り組む。企業は複数回学校を訪問し、教室の中で対話をベースに生徒の自由で大胆な発想に気づきを得ながら、自分事として生徒のプラン作りに伴走する。
初年度となる2023年度は、三浦学苑高等学校でパイロット版として6月よりプロジェクトをスタート。今後、横須賀市内の私立中学高校に加え公立中学高校まで拡大し、次世代育成と共に地域のサスティナブルなコミュニティの構築を目指していく。
よこすかラボがよこすかengineにかける想い
よこすかラボの代表・三田希美子氏が“地域”に興味が沸くようになったのは、中学生の時、横須賀の人口流出が日本一という不名誉なランキングを見たのがきっかけだったという。同氏は、何か地域での取り組みをしたいとは思っていたが、中高時代は都内の学校に進学していたこともあり、地元横須賀に対するこれといった強い想いはなかったそうだが、大学に進学し、生まれ育ったこの横須賀だからできるまちづくりがあるのではないかと一念発起。様々な人との縁の中で活動を続けてきた。
同氏は、「人口減少・少子高齢化といった問題から免れない時代の中で、自分の街にプライドを持って生きていく人を増やすことがこれからは大きなカギになるのではないでしょうか。地域のリソースを知り、中高生と企業や自治体が相互に学び合う環境を整えていくことで、都会でも田舎でもない中途半端なこの街だからこそできるこれからの学びを、この横須賀で創っていきたいと思っています。」と話している。
横須賀市の未来を造る「よこすかengine」の活動に注目していこう。
詳細ページ:https://eduq.jp/20230601yokosukaengine/
(yukari)