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【鹿児島県】霧島アートの森で飯川雄大展『デコレータークラブ:未来のための定規と縄』開催

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霧島アートの森では、飯川雄大(いいかわたけひろ)展『デコレータークラブ:未来のための定規と縄』を、7月14日(金)〜9月10日(日)の期間開催する。なお、祝日の場合は翌日休園、7月31日(月)、8月14日(月)は臨時開園となる。

美術家・飯川雄大氏の個展を開催

Photo:Kawata Satoshi

飯川雄大氏は、現在、神戸を拠点に活動している美術家。成安造形大学芸術学部情報デザイン学科ビデオクラスを卒業。鑑賞者の行為によって起きる偶然をポジティブにとらえ、思考を誘発しながら展開する作品を制作している。

今回の個展のタイトル「デコレータークラブ」は、2007年から継続しているシリーズの作品で、世界中の海に生息し、周辺の環境に合わせて海藻や小石を身につけて姿を変える蟹(Decorator Crab)から着想した名前だ。

かねてより飯川氏は、この擬態する蟹を発想の原点に、何かわからないものを見つけた時の驚きを他者に伝えることの難しさや、それと関係なく生まれた解釈、思いもよらぬ誤解をポジティブに捉え、制作。認識と現実の間にあるズレを可視化しながら、その場と鑑賞者の関係を扱った新たな体験を提案している。

見どころは定規と縄をモチーフにした新作

飯川雄大《デコレータークラブ—0人もしくは1人以上の観客に向けて》2022年 彫刻の森美術館「デコレータークラブ:同時に起きる、もしくは遅れて気づく」の展示風景 Photo:Michio Yamashita

室内に設置されたハンドルを回すと目の前の縄が反応し、美術館のどこかで新たな事象が現れる『0人もしくは1人以上の観客に向けて』は、2019年からスタートした自分の行動が思いもよらない出来事と繋がるインスタレーション作品だ。

飯川雄大《デコレータークラブ—未来のための定規と縄》の制作風景、2023年 Photo:Takehiro Iikawa

今回の霧島アートの森アートホール内では、その一見遊びにも思える鑑賞者の身体的行為をさらに発展させた新作『デコレータークラブ:未来のための定規と縄』が発表される。

アートホール全体を使った大規模な新作『デコレータークラブ-未来のための定規と縄』では、展示室だけでなく野外広場へと繋がる大規模なインスタレーションを展開する。

鑑賞者は、延べ684平米にもなる大きなギャラリー空間の壁や天井、地面などから伸びている縄を直接触ったり引っ張ったりすることができ、これまで飯川が繰り返し扱ってきた「起こった出来事に気がつくまでの、距離や時間」へのアプローチをさらに深化させた作品となるだろう。

霧島アートの森初の試み、屋外広場での特別展示

広さ約13ヘクタールの広大な園内には、名だたる現代美術作家たちのユニークな作品23点の常設展示があるが、特別展示としては、開館以来はじめてとなる屋外広場にも、飯川氏の作品が設置される。

新作『未来猫のための定規(仮)』は、かつて自身が構想した400mにも及ぶ『ピンクの猫の小林さん』を実際に想像してみるための道具だ。

園内の端から端まで伸びる長さ400mのインスタレーション(=定規)をきっかけに、全容を決して捉えることができない猫の存在に思いを馳せる。

飯川雄大《デコレータークラブ—ピンクの猫の小林さん》2022年 彫刻の森美術館「デコレータークラブ:同時に起きる、もしくは遅れて気づく」の展示風景 Photo:Takafumi Sakanaka

また昨年度、彫刻の森美術館で話題を呼んだ高さ15mの『ピンクの猫の小林さん』も再び展示され、この野外美術館の新たな可能性を提案する。


開園時間や観覧料などの詳細は、特設サイトで確認を。

■鹿児島県霧島アートの森
住所:鹿児島県姶良郡湧水町木場6340番地220 

「デコレータークラブ:未来のための定規と縄」特設サイト:https://open-air-museum.org/event/event-41150

飯川雄大 公式サイト:https://takehiroiikawa.tumblr.com/

(yukari)

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