7~8月にウクライナ国立バレエ(旧キエフ・バレエ)日本ツアーが全国15ヶ所で開催。「Thanks Gala 2023」「スペシャル・セレクション 2023」「親子で楽しむ夏休みバレエまつり」の3つのプログラムが上演される。
日本の人々から劇場に贈られた義援金で新制作された作品も披露される予定だ。
国を超えたプロジェクトが実現
5月26日(金)・27日(土)に、キーウにあるウクライナ国立歌劇場で、日本の人々から劇場に贈られた義援金で新制作された作品のプレミア公演が行われた。
披露されたのは、ジョン・ノイマイヤー氏振付の1991年ドイツ初演「スプリング・アンド・フォール」、ハンス・ファン・マーネン氏振付の1977年オランダ初演「ファイブ・タンゴ」の2作品。
現地ではバレエ団の新しい試みに注目が集まり、戦禍にもかかわらずチケットは完売。満員の観客から拍手喝采を浴び、バレエ団にとって新たな一歩を踏み出した歴史的な日となったそう。
世界的な振付家による作品
ウクライナ国立バレエが、世界的な振付家であるジョン・ノイマイヤー氏、ハンス・ファン・マーネン氏の現代作品をレパートリーに取り入れるのは、今回が初めて。新制作にあたり、日本からの義援金が制作費に充てられ、作品をレパートリーに持つ「ハンブルク・バレエ団」、「オランダ国立バレエ」も全面協力。
ウクライナ出身の世界的なダンサーで、今回の日本公演にも出演するアレクサドル・リアブコ氏(ハンブルク・バレエ団)、同じくウクライナ出身のアレクサンドル・シャンブロフスキー氏(元オランダ国立バレエ)、コンスタンティン・ツェリコフ氏(ハンブルク・バレエ学校教師)がキーウ入りして、バレエ団に指導を行った。
この2つの作品は、7月から始まるウクライナ国立バレエの来日公演でも披露される。
「Thanks Gala 2023」で「ファイブ・タンゴ」が全編上演され、「スペシャル・セレクション 2023」では「スプリング・アンド・フォール」より2人で踊るパ・ド・ドゥ部分を抜粋して上演。
話題の最新の舞台を見るチャンスだ。
アフタートークショーが開催
「Thanks Gala 2023」8月5日(土)16時公演終演後に、ウクライナ国立バレエ芸術監督の寺田宜弘氏のアフタートークショーが開催される。聞き手は舞踊評論家の桜井多佳子氏。時間は、終演約15分後から30分程度が予定されている。
6月に発表されたばかりの2023年冬の来日公演や、日本から寄せられた義援金についてなどを話す予定だそう。また、トークショーの最後には、同公演のゲストダンサーで世界的に活躍しているアレクサンドル・リアブコ氏とデニス・マトヴィエンコ氏が登壇予定。寺田宜弘氏と共にキーウ国立バレエ学校で学んだ、3人の思い出にも触れられそうだ。
アフタートークショーは、「Thanks Gala 2023」8月5日(土)16時公演終演のチケットを持っている観客であれば、誰でも参加できる。
また、「スペシャル・セレクション 2023」「親子で楽しむ夏休みバレエまつり」も上演。詳細については、各公演のサイトをチェックしてみて。
■ウクライナ国立バレエ(旧キエフ・バレエ)「Thanks Gala 2023」
日時:8月4日(金)19:00、5日(土)12:00/16:00
会場:東京文化会館 大ホール
予定演目:「パキータ」「ファイブ・タンゴ」「森の詩」よりパ・ド・ドゥ 「Ssss…」より 「シルヴィア」より ほか
公演詳細:https://www.koransha.com/ballet/ukraine_ballet/thanksgala/
■ウクライナ国立バレエ(旧キエフ・バレエ) 「スペシャル・セレクション 2023」
日時:7月21日(金)~8月10日(木)
熊本、福岡、長崎、広島、岡山、大阪、愛知、長野、静岡、福島、神奈川、山梨、埼玉にて開催
予定演目:「パキータ」「スプリング・アンド・フォール」「タリスマンのグラン・パ・ド・ドゥ」ほか
公演詳細:https://www.koransha.com/ballet/ukraine_ballet/specialselection/
■ウクライナ国立バレエ(旧キエフ・バレエ)「親子で楽しむ夏休みバレエまつり」
日時:8月6日(日)12:30/16:30
会場:東京国際フォーラム ホールC
予定演目:「ドン・キホーテ」第3幕より グラン・パ・ド・ドゥ、「人形の精」より パ・ド・トロワ ほか
公演詳細:https://www.koransha.com/ballet/oyakoballet/
(鈴木 京)