日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、埼玉県旧南河原村(現行田市)を写真とともに紹介する。
Vol.25/埼玉県旧南河原村(現行田市)
旧南河原村は2006年に行田市へ編入されたまちだ。面積もかつて蕨市に次いでちいさかった村だったが、その「ちいさな村」という名残は節々に残されていた。
何も知らずに訪れていたら、かつてこの土地が2006年まで村だったということには、気づかなかったかもしれない。しかし、そのことを意識して訪れてみると、道も細くうねうねしているし、まちの節々には確かに「南河原村」という地名が残されていた。
蕨市に次いで面積がちいさかったということも、どちらかといえば誇りだったのではないだろうか。蕨市は日本一ちいさな市として知られている。「ない」ものがある、という逆転の発想を人間は持っているから。
何より、まだここにもひっそりとした暮らしが残っている。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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