日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、埼玉県旧両神村(現小鹿野町)を写真とともに紹介する。
Vol.44/埼玉県旧両神村(現小鹿野町)
旧両神村は、2005年に小鹿野町と合併したまちだ。埼玉県で唯一「日本の滝100選」に選定されている、丸神の滝を見に行くことにした。道中は細いうねうねとした山道が続き、山が削られた採掘場もあった。駐車場に原付を停めて、滝まではトラッキングのように歩く。大変ではあったが、渓谷にも朝が訪れ、苔はいきいきと輝きはじめた。そして、滝のしっとりした流れは、心静まるものであった。
丸神の滝。細い滝の糸が岩を撫でて、離れることなく流れ落ちている。名瀑といえば巨大で、高低差も高く、顔まで水飛沫が飛んでくるような勢いを想像するかもしれないが、丸神の滝は違った。いたって「静」なのである。静の滝であった。
次回は、埼玉県神川町を写真とともに紹介予定。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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