京都新聞社が運営する「THE KYOTO Crowdfunding」にて、戦禍を逃れ1300年、守り伝えられてきた百済寺の御本尊・十一面観世音菩薩を往時の姿に修復するためのクラウドファンディングが、8月18日(金)~11月17日(金)に開催中だ。
聖徳太子により創建されたと伝わる古いお寺
滋賀県東近江市の鈴鹿山麓にある百済寺は、今から1400年前に聖徳太子により創建されたと伝わる非常に古いお寺。琵琶湖の東・湖東三山の一つで、秋には紅葉の名所として知られている。
また、映画などのロケーション地としても活用され、岡田准一さん主演の『関ヶ原』や、大泉洋さん主演の『駆込み女と駆出し男』など、多くの作品に登場している。
百済寺の御本尊・十一面観世音菩薩
そんな百済寺の御本尊が、十一面観世音菩薩。聖徳太子が根のついたままの杉の大木に刻んだため、“植木観音”の名で信仰を集めており、織田信長の焼き打ちの際には、地元の信者が担いで御本尊を避難させ、今でも像のかかと部分に引き摺った跡が残っている。
2022年には重要文化財に指定され、造像以来、幾多の難を逃れ現代に伝えられてきた御本尊・十一面観世音菩薩だが、経年劣化により、奈良時代に施されたとされる金箔が剝落し、膠(にかわ)が緩むなど脆弱な状態。国、滋賀県及び東近江市の補助を受け、御本尊の修復を行うが、補助金だけではとても賄えそうにない。
木造仏を100年後にも残すためのプロジェクト
そこで、檀家を持たない百済寺は、クラウドファンディングによって広く支援を募り、国を代表する木造仏を100年後にも残すことができるよう本格的な修復を施すためのプロジェクトをスタート。プロジェクトのリターンは、特別に金字で記載された「百済寺御朱印帳(御本尊・植木観音)」や、
日本酒「百済寺樽」、
御本尊修復の記念に執り行う「特別ご開帳のご招待(呈茶菓の接待あり)」などで、すべてのリターンに、入山券とお礼状が付いている。
その他のリターンや詳しい内容はクラウドファンディングサイトにて。この機会に、御本尊・十一面観世音菩薩の造像当時の姿を守り、後世に伝えることを目指すプロジェクトに参加してみては。
THE KYOTO Crowdfunding:https://the-kyoto.en-jine.com/
プロジェクト名:戦禍を逃れ1300年、守り伝えられてきた御本尊・十一面観世音菩薩を往時の姿に修復したい
(佐藤ゆり)