日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、群馬県旧新田町(現太田市)を写真とともに紹介する。
Vol.50/群馬県旧新田町(現太田市)
新田は「にった」と読むこともあれば、「しんでん」と読むこともある。由来によって読み方が変わるわけだが、この地は武将の新田義貞が生誕した地であり、「にった」と読む。
先日は埼玉県深谷市の旧川本町で畠山重忠ゆかりの地を訪れた。畠山重忠は鎌倉時代の武士の鑑と言われた人物だが、新田義貞はその鎌倉幕府を滅ぼしたことで、偉人と称されている人物である。
偉人の立場にもいろいろある。そうした時代を経て、現在があるのだ。
古くに創建された寺社仏閣が、この近辺には多いのだなあと思う。鎌倉時代や室町時代の動乱も安寧も、きっとこの土地は経験している。水辺ではキラキラと風に水面が揺れるのを眺めるばかりで、草木のザワザワとした音もカラスの鳴き声も、時代を超えているのかもしれない、と想像したのだった。
次回は、群馬県旧藪塚本町(現太田市)を写真とともに紹介予定。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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