日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、群馬県旧万場町(現神流町)を写真とともに紹介する。
Vol.58/群馬県旧万場町(現神流町)
旧万場町は2003年に、旧中里村と合併し、神流町になった。藤岡市方面から進んでいくと、神流川が上流になればなるほど、両岸の山並みはどんどん急峻になる。そして、やはり川の流れと共に暮らしがあったことを感じた。旧万場町はかつて万場宿と呼ばれていた。山間部ではありながら、それまでの道と打って変わって、主となる通りには家並みが集中しているのだ。
町役場の近くに大きな駐車場があり、そこに原付を停めてまちなみを歩いた。商店には「お刺身」と書かれた看板もある。川魚だけではなく、海の魚も卸しているのだろうか。神流川に沿ってつくられたまちであり、程よいカーブが小刻みに現れて、ふと地元の方と急に目が合ったりもした。ここに流れている時間に触れられたことは、確かに新しい旅の出会いだった。
次回は、群馬県旧中里村(現神流町)を写真とともに紹介予定。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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