「人と動物の共生センター」は、「ペット後見」の取り組みを岐阜県から日本全国に広げるべく、様々な取り組みを実施する。
これまで岐阜県を中心とした東海エリアを拠点に、殺処分問題をはじめ“人と動物の共生”にまつわる社会課題解決の一貫として「ペット後見互助会 とものわ」を発足し、誰もが最後まで安心してペットと暮らせる社会を目指してペット後見の普及に取り組んできた「人と動物の共生センター」。今後は「ペット後見」を全国に広げていくことを目的として、様々な取り組みを行っていく。
超高齢社会とペットの飼育困難
現代社会は、家族の在り方や世帯構造が多様化し、ペットは家族という存在になっている。今や15歳以下の人間の子供の人口(約1,435万人)より、ペットの頭数(約1,588万頭)の方が多いともいわれている(※1)。
それに伴いペット市場は急拡大しているが、現在日本では1年間に約5.8万頭の犬猫が保健所に持ち込まれている(※2)。そのうちの3割が飼い主自身や親族が病気または傷病のため飼育困難なことが理由に挙げられており(※3)、超高齢社会を迎えるなか、高齢の飼い主が急な入院や要介護になることや、突然死去することで飼えなくなってしまうケースが社会問題になっている。
「ペット後見互助会 とものわ」について
「ペット後見互助会 とものわ」は、会員が安心して最後までペットたちと暮らせるように、万が一の入院や死亡に備えるための、飼い主同士が助け合う共助の仕組みとして、会員が入院や要介護状態に陥るなどして飼育が継続できなくなった場合に引き取りを行っている。
引き取ったペットは、飼い主募集と譲渡を行うが、病気や高齢であるなど譲渡が難しい場合は飼育施設にて終生飼育する。
会員には、入会金と事務手数料(合計10万円)、月々の会費(1,000円)と、終生飼育費用(100万円 ※10キロ以上の犬猫は体重×10万円)を遺してもらうことで、動物たちの飼育費用を互いに賄い合う。互助会はこの資金を使い、万が一の場合、ペットを保護し終生飼育するという、いわば保険のようなサービスだ。
「ペット後見」の取り組みを全国に
現在、「人と動物の共生センター」は、“ペットを飼えなくなった時、飼い主の意思を継いで、ペットが終生飼養できるように支援をしたい”という思いのもと、「ペット後見」の互助の輪を広げるべく、弁護士事務所・行政書士事務所などの「相談拠点」をはじめ、動物取扱業(第一種・第二種)を保有する「飼育施設」など、連携パートナーを全国に拡大している。相互告知等を強化する共通パンフレットも、10月より配布開始予定だという。
また、10月3日(火)には、「ペット後見」の「相談拠点」として連携できる弁護士事務所・行政書士事務所、司法書士事務所等を対象にしたオンライン勉強会を開催し、11月1日(水)より、「ペット後見」の概念を普及させ、支援の輪を広げるためのクラウドファンディングを実施する予定だ。
「ペット後見」の取り組みを全国に広げていく「人と動物の共生センター」の活動に注目だ。
人と動物の共生センター「ペット後見互助会 とものわ」:https://human-animal.jp/actions/pet-kouken
※1 出典:一般社団法人ペットフード協会 令和4年 全国犬猫飼育実態調査
※2 出典:環境省発行 動物愛護管理行政事務提要(調査対象期間:2021年4月1日~2022年3月31日)
※3 出典:帝京科学大学 生命環境学部「ペット飼育放棄要因の抽出と終生飼養サポートの検討」
(さえきそうすけ)