異世界の学校が、小中学生と運営するオンラインコミュニティMアカにて、『鬼滅の刃』を愛してやまない中学1年生が「マンガって教科書にならないの?」という素朴な問いからプロジェクトを起こし、「日本一やさしさを学べる!」をテーマにした道徳の授業を完成させた。
中学生の憤りから生まれたマンガ教科書化プロジェクト
現代の日本社会は様々な問題が勃発し、閉塞的な雰囲気が漂っている。未来を担う子どもたちとて、例外ではない。
日々の生活の中で、実際に子どもたちが直面している問題の1つとして挙げられたのが「親に怒られるから、家で安心してマンガが読めない!」という無垢な憤りだった。
そこから「マンガから色々学んでいるのだから、マンガ=娯楽だと決めつけるのはよくない!」という子どもの想いから始まったのが「マンガ教科書化プロジェクト」だ。
12才の中学生がマンガを教科書にした授業を完成
プロジェクトのリーダーとなったのは、中学1年生の小澤光璃さん。彼女が愛してやまないマンガ、『鬼滅の刃』を教科書にした授業を作れないか?というアイデアを思いついた。
同作品から「やさしさ」という心情を学んでいたことに気づいた彼女は、マンガを「心情の教科書」と定義した。そこから学校、部活、塾の合間にMアカの大人たちと打ち合わせをしたり、高校生からデザインの仕方を学んだりして授業を完成させた。まさに大人顔負けの実行力だった。
授業のテーマは「日本一やさしさを学べる」こと
彼女が2ヶ月間で作った授業のテーマは、「日本一やさしさを学べる」こと。『鬼滅の刃』のキャッチコピーである「日本一慈(やさ)しい鬼退治」になぞらえている。
やさしさってなんだろう?という問いから探究し、辞書で定義されたようなものではない自分なりのやさしさを見つけられる設計の授業へ仕上げた。
開発者曰く「だいたい小学校5年生〜中学3年生くらいの年齢の子どもたちを対象にしてます」とのこと。同作品を知らなくても取り組める、知っていたら思わずニヤッとしてしまう、誰でも簡単に楽しく取り組める授業になっている。
プレゼンテーションを聞いた小学校の先生の感想
完成した授業のプレゼンテーションを聞いた小学校の先生は、以下の感想を述べた。
「道徳の授業は人間の正しさを教えるものであるから、人間の弱さについて伝えることは難しい。誰かを悪役に見立てて、やっつけたくなる危うい正義感に内省的であることの必要性は大人の自分でも感じる。
この”やさしさの授業”は親切・思いやりという道徳科の授業の内容項目にも一致する。他者だけではなく思いやりの対象を自分にも向ける設計になっているから、思いやりについてより深く多角的に子どもが内省できるのではないか」
現在、全国の小中学校の先生やフリースクールを運営されている人で、授業として実施してくれる人も募集しているとのこと。
オンラインコミュニティMアカの活動が気になる人は、公式サイトをチェックしよう。
Mアカ公式サイト:https://emuaka.com/LP/
(佐藤 ひより)