群馬県みなかみ町で東大院生らが企画する、解体予定だった建物の価値を掘り起こす社会実験第2弾「廃墟再生マルシェ」が、10月8日(日)・9日(月)に開催される。
まちづくりの旗印に
みなかみ町中心の温泉街では、かつての繁栄の面影を残す廃屋が各所に点在する状況が続いてきたが、リノベーションまちづくりの進展や大規模廃業旅館の一部解体もスタートし、ようやくその風景が変わりつつある。
昨年10月、温泉街の最奥にある廃墟「旧ひがき寮」を活用して開催された第1回「ミニ廃墟再生マルシェ」は大反響で、2日間で1300名の来場者で賑わった。2021年からまちづくりに参画する東京大学の大学院生たちが再発見し、地元住民との協働作業で手入れし、温泉街の新しい魅力を掘り起こした。この取り組みは、みなかみ町・群馬銀行・オープンハウスグループ・東京大学大学院工学系研究科が進める産官学金連携まちづくりの旗印となった。
この秋、後輩学生たちがコンセプトを継承・拡張する形で、第2回が開催されることが決定した。
温泉街の中心に集う
2回目となる今年のテーマは「温泉街の中心で、これからのみなかみに出会う」。温泉街の真ん中に立地し、約5年ものあいだ眠っていた廃墟「旧一葉亭エネルギーセンター」が第1会場となる。
「旧一葉亭エネルギーセンター」は、かつては旧古家ホテルの客室棟として使われていたが、その後従業員寮や機械室などの用途を転々としてきた。利根川に大きく面しており、豊かな渓畔林や渓流の音を楽しめる魅力がある。温泉街めぐりの出発点となる公共駐車場に面している点も特徴だ。
2019年に廃業した大型旅館「旧一葉亭」については、みなかみ町・群馬銀行・オープンハウスグループと東京大学大学院都市デザイン研究室のプロジェクトチームがタッグを組み、広場や滞在施設を中心とした施設への再生に取り組んでいる。
「旧ひがき寮」ではキャンドルナイトも
その独特な景観から昨年大好評を博した「旧ひがき寮」も、引き続き第2会場として活用される。
昨年15店舗ほどだった参加店舗数は、好評を受けて今年は2倍の30店舗以上に。
昨年同様、温泉街の廃業旅館で利用していた歴史のある瀬戸物や着物、みなかみの自然を感じ取れるあたたかいクラフト小物や、廃材を使ったアクセサリーなどの物販店舗が展開するほか、飲食店も複数出店予定。
珈琲、クラフトビール、ホットドッグ、おにぎりなど、みなかみの豊かな水や素材をつかったグルメを味わいながら、ゆったりとした時間を過ごすことができる。また、東大院生たちが温泉街をリサーチした内容や再生案を示す模型の展示なども行われる。
夕方以降は大きなキャンドルスタンドが中庭に設置され、アーティストと一緒に来場者も参加型で楽しめるキャンドルワークショップが予定されている。
「廃墟再生マルシェ」で、みなかみ町の変わりゆく風景を楽しんでみては。
■廃墟再生マルシェ
日程:10月8日(日)、9日(月・祝)
時間:10月8日:11:00〜20:00、10月9日:11:00〜16:00
第1会場:水上温泉 旧一葉亭エネルギーセンター(群馬県みなかみ町湯原704 ※温泉街駐車場横)
第2会場:水上温泉 旧ひがき寮(群馬県みなかみ町湯原641)
Web:https://minakami-haikyo-saisei.com/
Instagram:https://www.instagram.com/haisai_minakami/
※小雨決行。荒天時、中止となる場合あり
※車で来場の場合、観光会館駐車場や温泉街駐車場の利用を推奨(無料)
(山川温)