即席麺は世界で年間1,200億杯以上が食されており、利便性・味・手頃な価格が理由で海外でも人気が高い。一方、日本で製造しているカップ麺は宗教や思想、アレルギーなどを理由に食べられない人も多い。そんな中、GRIT CAPITAL社がシンガポールで製造し、ハラル認証を受けたカップ麺「Freedom Ramen」が、グッドデザイン賞を受賞した。
情報が一目でわかるデザイン
「Freedom Ramen」は、何でも自由に食べられる人にも、食の制限や戒律がある人や旅行者でも、日本語が読めなくても、必要な食の原材料等の情報が一目でわかるおもてなしの想いが伝わるデザインとした。
ハラル認証・100%植物性・NO MEATであることもロゴを見るだけで認識できるデザインにしている。実際に、イスラム教やベジタリアン・ヴィーガンの人が原材料表を見ることなく、パッケージを見ただけで自分自身が食べられるかが判断できると好評だという。
日本人にとってなじみのある3種類
「Freedom Ramen」は現在、「辛味噌」と「シーフード」「日式カレー」の3種類があり、日本人にとってなじみのある味に仕上げているのが特徴。また、多様な食文化が混じるシンガポールにて、日本人以外の味の好みも研究・リサーチをした上での味の決定を行なっている。
今回の受賞を契機に、「Freedom Ramen」の販売拡大を図るとともに、プロダクトデザインの活用を積極的に推進。ブランドイメージの向上、食の多様性の普及に努めていくという。
グッドデザイン賞、審査委員コメント
グッドデザイン賞、審査委員は、『この商品を目にするまで、普段の暮らしの中では「インスタントラーメンは、国境の壁を越え、いまや国際食とも言えるほどに世界で愛されるもの」という認識だった。しかし、実際には、食には国境以外にも、宗教・思想・体質・非常時など異なる壁が多く存在していて、まだまだ乗り越えなければならない見えない壁があるという事実と、そこに無意識でいたことを改めて気づかされた。本商品が単に独自性を持つだけではなく、それらの壁を本気で打ち破り、フードバリアフリー(※)へ挑戦しようとしていることが評価の大きなポイントである。これからのこのインスタントラーメンがどのような食の多様性を描き出すのか、楽しみにしたい。』とコメントしている。
「Freedom Ramen」提供先
現在の「Freedom Ramen」提供先は、宿泊施設がセルリアンタワー東急ホテル、ハイアットプレイス京都、アンテルーム那覇、ルスツリゾートホテル&コンベンション、The Millennials 渋谷/京都/福岡、ホテルかずさや、天成園、西伊豆今宵、河鹿荘など。地方自治体が豊田市。ドラッグストアがサツドラ。オフィスがTHE DECK。大学が国際基督教大学。モスクが東京ジャーミィ。オンラインストアがグリーンカルチャー、北国からの贈り物、ブイクックスーパーなどだ。
この機会に、グッドデザイン賞を受賞した「Freedom Ramen」を試してみては。
Freedom Ramen公式サイト:https://freedom-ramen.myshopify.com/
※フードバリアフリー:様々な思想や文化を持つ人が同じように美味しい食事を取り、空腹や不自由さを感じることなく快適に過ごせる状態
(角谷良平)