日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、群馬県旧東村(みどり市)を写真とともに紹介する。
Vol.81/群馬県旧東村(みどり市)
平成の大合併が進むまで、群馬県にはかつて3つの東村があったという。それが他の方角の地名ならどうだろうか。北村、西村、南村……。やはり、東は日が昇る方角で、言葉に明るさの足場がある気がしてならない。
道の駅を訪れると、ちょうど桜が強い風で散っている。桜吹雪の言葉がふさわしいほどに、目の前で淡いピンク色の雪が降った。草木湖も青と緑がの調和が素晴らしく、春の陽気が旧東村を包んでいた。
富弘美術館は2回目の訪問だった。展示されているのは星野富弘さんの作品。富弘さんは不慮の事故により手足の自由を失ってしまったが、口に筆をくわえて、身近な自然を主な題材に、文や絵を書くようになった。その文と絵を見ていると、やさしさと同時に生きるエネルギーを与えてくれる。館内は撮影できないからこそ、じっくり鑑賞した。もうすぐ朗読会が行われるようで、その光景も良かった。美術館を出ると、足元の花が輝いて見えた。
次回は、群馬県旧大間々町(みどり市)を写真とともに紹介予定。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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