日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、群馬県旧宮城村(前橋市)を写真とともに紹介する。
Vol.88/群馬県旧宮城村(前橋市)
旧大胡町から旧宮城村へ向かって進んでいくと、徐々に真正面から赤城山が近づいてくる。実際は自分が近づいているのだが、山が近づいてくるように感じるのだ。旧宮城村のまちから、前橋市街地のまちなみも眺めた。それに途中、珍しい鼻毛石(はなげいし)の町名と出会ったけれど、信号に堂々と町名が書かれていてむしろカッコよかったのだった。
群馬県にはいくつか赤城神社がある。その中でも旧宮城村には、三夜沢(みよさわ)に赤城神社が鎮座している。赤城山の裾野であり、静かで木々が高く、ひんやりした風が流れていた。
さらに赤城山の山頂に向かって急勾配の登り坂とカーブを、ゆっくり進む。山頂は旧富士見村(前橋市)だけれど、その直前までは旧宮城村の土地になっている。ほとんど景観を楽しめるような場所はなかったが、ようやく木々の間から市街地を望むことのできる場所と出会い、原付を停めた。山登りに精一杯で、いつの間にかものすごい標高まで到達していることに気づかなかった。赤城山の標高は1828メートル。圧倒的な世界だ。
次回は、群馬県旧富士見村(前橋市)を写真とともに紹介予定。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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