2023年9月に創立100周年を迎えた京都信用金庫は11月1日(水)、同金庫を題材とした書籍『手間ひまをかける経営 日本一コミュニケーション豊かな会社の「関わる力」』を、生産性出版より発売する。
京都信用金庫の在り方を事例にしたビジネス書を出版
『手間ひまをかける経営 日本一コミュニケーション豊かな会社の「関わる力」』は、法政大学教授の高田朝子さんが京都信用金庫を研究調査し執筆したものだ。
コミュニティ・バンクとしての京都信用金庫の在り方を事例に、ネットワークに関する理論やネガティブ・ケイパビリティの考え方を切り口として、変化が激しく不確実なこれからの時代(VUCAの時代)を生き抜くにあたってのヒントが示されている。
このような時代だからこそ、豊かなコミュニティの中で温かいネットワークをつなぐこと、そして中長期的な時間軸の中でじっくりと事態に向き合うこと、手間ひまをかけることの大切さを、今一度認識するためのヒントを与えてくれる一冊だ。
高田朝子さんプロフィール
高田朝子さんは、法政大学経営大学院イノベーション・マネジメント研究科教授。立教大学経済学部卒業後、モルガン・スタンレー証券会社勤務を経て、Thunderbird School of Global Management(MIM)、慶應義塾大学大学院経営管理研究科経営学修士(MBA)、同博士課程修了。経営学博士。専門は組織行動、危機管理、ファミリービジネス経営だ。主な著書として『はたらく看護師のための自分の育て方』(共著)、『人脈のできる人――人は誰のために「一肌ぬぐ」のか?』『女性マネージャーの働き方改革』『女性マネージャー育成講座』などがある。
地域でのネットワークづくりの重要性を解説
同書の前半では、ネットワークをつなぐことの重要性やその仕組みについて論じられている。同金庫が実践する「寄り添う金融・つなげる金融」を事例として、人と人・事業と事業をつなぐネットワークをいかに構築するのか、またそのためにはどのような環境が必要なのかが書かれている。
また、出会いからイノベーションが創出されるための場作りや、地域でのネットワーク架橋点としての役割などについても理論的に説明。それらのネットワークは、対話型経営を重視したコミュニケーション豊かな社内風土の中で「集合知」が発揮されることで生まれていることや、職員一人ひとりの自発的な動機付けの中から生まれるという仕組みについても述べられている。
後半では「ネガティブ・ケイパビリティの考え方」に基づいて、これからの時代に大切な経営の在り方について論じられている。
ネガティブ・ケイパビリティとは「即座に答えの出ない事態に耐える能力」のことで、近年その重要性に注目が集まっている。地域の顧客の事業やくらしの課題にじっくりと時間をかけて寄り添い、中長期的な視野の中で地域社会の発展を目指す同金庫の取り組みを事例としながら、ネガティブ・ケイパビリティの重要性が論じられている。
書籍概要
『手間ひまをかける経営 日本一コミュニケーション豊かな会社の「関わる力」』は11月1日(水)に、書店や、Amazon、楽天ブックスなどのオンラインショップで発売される。価格は2,420円(税込)だ。
京都信用金庫の事例から学べるビジネス書『手間ひまをかける経営』をチェックしてみよう。
コミュニティ・バンク京信(京都信用金庫)URL:https://www.kyoto-shinkin.co.jp/
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