福島県双葉郡富岡町にて東日本大震災・原子力災害の伝承活動をしている「富岡町3.11を語る会」は、「演劇」で町を元気にするため、「第2回富岡演劇祭」を12月9日(土)・10日(日)に富岡町文化交流センター学びの森で開催する。
ゲキでゲンキな町づくり
演劇という芸術は、心と心を通わせ、人と人が「つながる」ところに成立する総合芸術だ。
福島県富岡町では、東日本大震災による津波被害と原子力災害により避難を余儀なくされ、震災前に比べて人口が1万4000人も減るなど町全体が新たなコミュニティの構築に全力で立ち向かっている最中。そこで富岡町では「人のつながり」を生み出す演劇こそ町再生の力になると考え、「ゲキでゲンキな町づくり」を目指す「富岡演劇祭」の第2回目を開催する。
長きにわたる避難生活の中で、「町に帰る人」「帰らない人」「新しく町に暮らす人」と多様化していく町民たちと、演劇を通じて「つながる」。そして「向かい合い」「語り合い」「わかり合い」「共に考え」「ともに行動する」新たな町を作るための、演劇&パフォーミングアーツの祭典だ。
演劇祭2日間のプログラム
12月9日(土)10:00~12:00に開催される「オープニングセレモニー記念コンサート」では、富岡町民劇団ホームによる詩から始まり、特別記念コンサートとして今人気の琴演奏者「箏男Kotoman大川義秋」さんによる約50分間の琴演奏も行われる。
12月9日(土)13:00~14:00は、音楽と朗読による構成劇「請戸小学校物語」を上演。2011年3月11日、津波の被害にあいながら生徒教員が全員無事だった浪江町立請戸小学校。当時請戸小学校の6年生だった東日本大震災・原子力災害伝承館の横山和佳奈さんが朗読を担当し、朗読に合わせて箏男Kotoman大川義秋さんが琴を奏でる。子どもたちの声や先生たちを表現するのは、福島県立ふたば未来学園高等学校の生徒7名だ。
12月10日(日)は、11:00~13:00にいわき青春座による「小野小町物語」、15:00~15:30に富岡無名座による「佐藤昭治の日記」、15:30~16:00に郡山ロック座による「cavaret」を上演。
観覧チケットは各1000円で販売中なので、Googleフォームから申込みを。当日、演劇祭受付場所でも購入できる。
無料のプログラムも実施
また、12月9日(土)13:30~15:30には、小浜風童太鼓による「太鼓ワークショップ」を実施。太鼓の打ち方の基礎から丁寧に教えてくれるので、体全身を使って心と体をリフレッシュしよう。
12月10日(日)10:00~11:00/13:00~14:00には「高校生によるアートパフォーマンス」を開催。発表や、演劇、朗読、紙芝居、ダンスなど、出演者を募集中だ。
両日9:00~10:00には、富岡町だから体験できる「被災地ツアー」も実施。あれから12年目、まもなく13年目の富岡町内を語り人が案内する。大型バス、語り人説明、資料付で3,000円、定員40名まで。
さらに、「富岡演劇祭アナザーワン」として、会場の会議室を休憩コーナーに。富岡限定のさくら子ちゃんコーヒーや夜の森バウムクーヘン、クラフト工芸品などが登場するほか、昼食を食べられる部屋として開放し、DVD上映も実施する。
「第2回富岡演劇祭」で、富岡町の人と演劇を通じてつながってみては。
チケット申込サイト:https://t.co/1KeiBJdyao
富岡演劇祭X(旧Twitter):https://x.com/TMOK_ENGK?s=20
(山本えり)