スリランカや東ティモールでのフェアトレードに取り組むパルシックは、12月6日(水)~8日(金)の期間、東京ビッグサイトで開催される「エコプロ2023 GREEN MARKET内」に出展し、フェアトレードのスリランカ産オーガニック紅茶を紹介する。
デニヤヤで小規模紅茶生産者の有機紅茶栽培を支援
パルシックは2011年から、スリランカ南部デニヤヤで小規模紅茶生産者の有機紅茶栽培を支援する事業を行っている。この地域はルフナエリアと呼ばれ、中東で人気の低地紅茶の産地で、産出される水色の濃い紅茶は「ルフナ紅茶」として知られている。日本でも有名な「ウバ」や「ヌワラエリヤ」など、高地帯の産地に比べ、生産者のほとんどがプランテーション農民ではなく、家族単位で畑を持つ小規模生産者だ。
地域全体へ有機生産が広まるように活動
デニヤヤはスリランカの国立公園シンハラージャ環境保護区に隣接する山間地帯にある。周辺地域の重要な水源地帯にもなっていることから、スリランカ政府も地域住民もこの地域の環境問題への関心が高く、紅茶生産を有機に転換することは、地域の課題でもあった。またこの地方では農薬散布後にただちに茶摘みを行っており、農民自身の健康にとっても、また紅茶の消費者の健康にとっても、望ましいものではなかった。
難しいといわれる茶の有機栽培だが、付加価値を付けて販売することを目指し、2011年、計25世帯の紅茶農家が集まり、小規模紅茶農家グループ「エクサ」を結成した。牛を飼い、堆肥を作るところから有機栽培への転換を始め、2023年現在は約100世帯に規模を拡大した。日本の市民からのクラウドファンディングにより、共有のコンポストセンターもつくられ、地域全体へ有機生産が広まるように活動をしている。「エクサ」の農家が出荷する生茶葉は、有機茶葉を専門に扱う近隣の工場でその日のうちに加工され、コロンボの工場でパッキングを行い、日本へ輸出される。この紅茶は、「有機ルフナ紅茶」として、天然ベルガモットの香料で着香した「有機アールグレイ紅茶」とともに日本国内で販売している。
「エコプロ」について
「エコプロ」は産官学民の多様なステークホルダーが交流する環境総合展で、SDGsなど社会課題解決を目指す最新技術、新製品、サービスが集結する。
GREEN MARKETエリアは、全国のサステナブルなプロダクトが一堂に集まる物販エリアで、プロダクトを実際に手に取りながら、出展者との会話を通じて、プロダクトの魅力や背景について知ることができる。
パルシックブース出展内容
パルシックブースでは、スリランカ産「有機ルフナ紅茶」「有機アールグレイ紅茶」などのフェアトレード商品の試飲販売のほか、スリランカサリーのアップサイクル製品を販売する。また、環境負荷をおさえた紅茶の茶葉の量り売りも行う。持ち帰り用のマイ容器を持っていこう。
パルシックは、フェアトレードの商品を通して、ふだん手にしている商品の背景、作っている人たちの暮らしを考えるということが、フェアトレードが果たす重要な役割のひとつだと考えているという。商品が手元に届くまでの長い旅に思いをはせ、また、どうすれば貧困におかれている生産者の暮らしを改善することができるのか、安心して買うことのできる商品を増やすことができるのか、商品の販売や展示会、イベント出展を通じてともに考えるきっかけ作りを進めたいとしている。
フェアトレードのスリランカ産オーガニック紅茶を試しに、「エコプロ2023」を訪れてみては。
■エコプロ2023
開催日時:12月6日(水)~8日(金)10:00~17:00
会場:東京ビッグサイト
住所:東京都江東区有明3-11-1
パルシックブース:東6ホール M-4
入場料:無料
URL:https://messe.nikkei.co.jp/ep/
(角谷良平)