日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、千葉県鴨川市を写真とともに紹介する。
Vol.148/千葉県鴨川市
鴨川市には前日から滞在した。宿にチェックイン後もまだ明るさが十分に残っていたので、夕方の市街地を散策する。鮮魚店や居酒屋を通り、JR安房鴨川駅に立ち寄る。路線は内房線と外房線だ。響きは山手線の内回り、外回りと似ているけれど、安房鴨川駅を終点に、内房線は房総半島の西側を通り、外房線は東側を通っている。
翌朝、あらためて市街地を散策する。朝日差し込む賀茂川や太平洋が美しい。魚見塚展望台まで登ると、市街地の見事な景色が広がっていた。海岸線の近くには市街地が密集している。より内陸を見渡せば緑が増え、豊かな田園風景が心に沁みる。
大山千枚田は、市街地からやや距離が離れている。ただ、鴨川市街地から訪れたことはなかったので、道中の景色も知りたくて訪れることにした。ひらけた平野で田園風景が多く広がっていることを知った。
日本には有名な棚田がいくつかある。棚田は自然が生み出した景色ではなく、人の手によって守られている景色だ。手で植え、芝を刈り、人の手によって守られた長い時間がこの景色にはある。新緑の緑に包まれた美しい大山千枚田を見て、それを忘れないことだと思った。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
仁科勝介公式Twitter:https://twitter.com/katsuo247
仁科勝介公式Instagram:https://www.instagram.com/katsuo247/