日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、千葉県旧山武町(山武市)を写真とともに紹介する。
Vol.153/千葉県旧山武町(山武市)
県の中北部に位置する旧山武町へやってきた。2006年に合併して山武市になったが、旧山武町では「さんぶ」と読んでいた地名が、山武市では「さんむ」と変わっている。地名の読み方も時の流れによって変化することがあるし、その一例だと感じられた。
まずは日向駅近くを散策してみる。駅舎の近くにはキャラクターが彫られたベンチが置かれていて、山武杉が有名だと紹介されていた。山武杉はねばり強さ、折れにくさ、艶などを備え持った特徴がある。
そもそも、山武市は海に面しているものの、旧山武町は海に面していない内陸の地形だ。台地の丘陵地帯のため起伏も多く、山林も多く感じられたので、杉が有名だということは発見だった。
その後、さんぶの森公園近くを散策した。緩やかに木々で囲まれた風景が多く、土ではなく芝に覆われていたので、シートを敷いてゆっくり過ごすこともできそうだ。公園もひっそりと佇んでいた。
訪れた時間が朝5時台だったので、散歩やジョギングをしている人たちもほとんどいない。でも、中学校も近いので、時間帯によっては老若男女問わず、明るい声が響くのではないだろうかと思った。
さらに、公園を外れると戸建ての集合団地もあった。緑の風景と暮らしが折り重なったまちである。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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