埼玉県富士見市に本社を置く、「サスティナブルな社会の実現」をミッションに掲げるフードテックベンチャーのASTRA FOOD PLANは、埼玉県が主催する第3回「彩の国SDGs技術賞」で大賞を受賞した。1月24日(水)に開催された「彩の国ビジネスアリーナ2024」で表彰式が執り行われ、大野元裕埼玉県知事から表彰状が贈られた。
かくれフードロスに向き合う
ASTRA FOOD PLANは、過熱水蒸気技術を用いた食品乾燥装置「過熱蒸煎機」(※1)を開発・販売するフードテックベンチャー。野菜の芯や皮、ヘタなどの食品ざんさや産地で発生した規格外農作物など、一般的な食品ロスの約4倍となる年間2000万トン(※2)の食品廃棄を「かくれフードロス」と呼び、その削減とアップサイクルに取り組んでいる。
「過熱蒸煎機」は、高い生産効率とコストパフォーマンスを実現したことから、従来コストの問題で有効活用できなかった、食品工場で発生する野菜類の端材や、規格外品などの未利用農作物、飲料ざんさ等を、付加価値の高い食材にアップサイクルすることができる。
食品ざんさ廃棄の課題を抱える事業者に「過熱蒸煎機」を販売すると同時に、同装置で作られる新たな食品原料「ぐるりこ」(※5)の用途開発を食品メーカーと協力して行うことで、フードロス問題の解決を目指している。
「ぐるりこ」は、「過熱蒸煎機」によって風味、栄養価の減少を抑えながら製造される高付加価値パウダーの総称で、素材別には“タマネギぐるりこ”、”キャベツぐるりこ”などとなる。
「彩の国SDGs技術賞」について
「彩の国SDGs技術賞」は、企業の成長・発展を支援し、埼玉県の経済の活性化を促進することを目的として、SDGsの達成に資する、革新的で将来性のある優れた技術・製品開発に取り組む企業等が表彰される。
今回の大賞の受賞理由には、従来有効活用できなかった野菜の芯や皮等の食品ざんさを300~500℃の過熱水蒸気によって短時間で乾燥・殺菌し、付加価値の高い食品パウダーへアップサイクルすることを実現したこと、食品工場等に設置することで食品ざんさの回収コストを削減するモデルを確立したことが挙げられた。
第3回「彩の国SDGs技術賞」で大賞を受賞したASTRA FOOD PLANの取り組みに注目だ。
■ASTRA FOOD PLAN HP:https://www.astra-fp.com/
※1:「過熱蒸煎」は特許庁商標登録済み商標です。登録商標第6534112号
※2:「年間2000万トンのかくれフードロス」=「2372万トン(食品由来の廃棄物等)(※3)」-「約570万トン(本来食べられるのにも関わらず廃棄される食品ロス)(※4)」
※3:環境省『食品廃棄物等の利用状況等』(令和2年度推計)
https://www.env.go.jp/recycle/food/post_5.html?fbclid=IwAR2MAEmiWIPybvUKszniBDrt1TCbDh3C1P_lPcwuZb2INtLp9pds1g89d38
※4:農林水産省『~食品ロス量(令和元年度推計値)を公表~』(2021年11月30日)
https://www.maff.go.jp/j/press/shokuhin/recycle/211130.html
※5:「ぐるりこ®」は特許庁商標登録済み商標です。登録商標第6723114号
(さえきそうすけ)