沖縄県うるま市では、同市で春季キャンプ中の阪神タイガースの2年連続優勝を願い、中村正人市長並びに現代版組踊「肝高の阿麻和利」の阿麻和利と百十踏揚、そして阪神タイガースの新入団選手よりファームキャンプ参加中の7名の選手出席のもと、2月9日(金)にうるま“勝連”祈願式を実施した。
世界遺産に登録された史跡「勝連城跡」
阪神タイガースは、毎年沖縄県宜野座村で一軍の春季キャンプを実施しており、2023年からは新たにうるま市がファーム春季キャンプ地となっている。
うるま市には、世界遺産に登録された史跡「勝連城跡」がある。12~13世紀始め頃に築城された「勝連城跡」は、15世紀、海外貿易により勝連に繁栄をもたらした阿麻和利が居城し、自然の断崖を利用した難攻不落の城城として知られている。
5つの曲輪(区画)から構成された標高約98mの琉球石灰岩丘陵上に築かれたグスク(城)で、北は金武湾を囲む北部の山々や太平洋の島々が見え、南は知念半島や中城湾が一望できる県内有数の景勝地だ。城跡の中にはいくつかのウタキと呼ばれる拝所があり、地域の人々にとっての聖なる場所として祈りや信仰の対象となっている。
また、その名称から、勝利やゲン担ぎのパワースポットとして多くの人が訪れており、昨年の春季キャンプでは森下選手を始めとする新入団選手7名が必勝祈願を行った。その甲斐もあり、阪神タイガースは18年ぶりにセ・リーグ優勝、日本シリーズも制して38年振りの日本一に輝いた。
そこで、昨年に引き続いての連続勝利を果たしてほしいといううるま市の熱い想いから、今回「勝連城跡」での日本一連覇“アレんぱ”にむけた必勝祈願&激励セレモニーとして、うるま“勝連”祈願式を開催することとなった。
式には、うるま市長の中村正人氏、現代版組踊「肝高の阿麻和利」の阿麻和利・百十踏揚、阪神タイガースの2024年度新入団選手から下村海翔選手、山田脩也選手、百﨑蒼生選手、石黒佑弥選手、津田淳哉選手、松原快選手、福島圭音選手が参加した。
現代版組踊「肝高の阿麻和利」について
現代版組踊「肝高の阿麻和利」は、「勝連城跡」が世界遺産に登録された2000年に、最後の城主・阿麻和利の半生を描いた舞台として誕生。阿麻和利は、国王に抵抗したとして逆臣といわれてきたが、琉球最古の歌謡集・おもろそうしでは地域の英雄であったと称えられており、昨今では阿麻和利の二面性としての評価がなされている。その英雄であったところに光を当てていったのが、現代版組踊「肝高の阿麻和利」だ。
「肝高の阿麻和利」は、子どもたちの居場所づくりを目的に始まり、地域の中高生たちのみで初演から20年以上にわたり活動を継承している。地域の芸能文化活動の枠に留まらず、うるま市が宣言した「感動産業特区」における「感動産業特区アンバサダー」として、今日ではまちづくりの推進力としても大きな存在感を発揮している。
“勝連”祈願品、勝連 うるま「勝マース」お守り
うるま“勝連”祈願式では、“勝連”祈願品として、市長より各選手に勝連 うるま「勝マース」お守りが贈られた。“神々の住む島”と言われている浜比嘉島のマース(塩)を封入し、スポーツや受験などに“勝つ”、逆境や病気や苦難に“打ち勝つ”などの人生の様々な物事に“勝ち続ける”ことを祈願するお守だ。
野球を象徴するバット型のお守りをうるまで制作し、現代版組踊の阿麻和利、百十踏場によって、勝連城にて阪神タイガース2年連続優勝祈願の念を込めた。選手たちは2月27日(火)まで同市に滞在する。
阪神タイガースの連覇祈願も行われたうるま市のパワースポット「勝連城跡」を訪れてみては。
(山本えり)