日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、千葉県旧栗源町(香取市)を写真とともに紹介する。
Vol.166/千葉県旧栗源町(香取市)
香取市の市街地から南に進んだ内陸部に、旧栗源(くりもと)町がある。『道の駅 くりもと紅小町の郷』を訪れてみると、お昼時だったこともあって、お客さんで賑わっていた。道の駅の名前にも「紅小町」とあるが、ちょうどポスターが貼られていて、文字を読んでみる。
「べにこまちは病気に弱いため栽培が難しく、形も不揃いになりがちのため“幻の品種”と呼ばれるここ栗源だけの希少品種。ほくほくとして、甘み豊かな味は、焼き芋の最上級品。」
と。ポスターの作りにも高級さがあり、栗源の誇りであることを肌で感じられた。
道の駅を訪れたあと、栗山川ふれあいの里公園へ向かった。上中下に違うデザインが施された石のモニュメントは大きくて、存在感がある。ほとんど地元の方もおらず静かな時間が流れていたが、ある看板に「栗源町長」の文字を見つけたことで、ああ、確かに旧栗源町も昔は一つの町だったのだなあと感じられたのだった。
さらに、市街地をぶらぶらと歩いていると、炊飯器の横にチーバくんがいた。炊飯器は棚の向きと揃って正面を向いているのに、チーバくんだけは窓越しにこっちを向いている。明らかに、チーバくんだけがこっちを見ていたのだ。千葉県に来て、チーバくんの存在感は絶大だなあと、この日も感じられた。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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