日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、千葉県旧印旛村(印西市)を写真とともに紹介する。
Vol.173/千葉県旧印旛村(印西市)
この地域はかつて印旛郡(いんばぐん)と呼ばれており、旧印旛村も存在してたた。そして、旧印旛村について調べていると「ペリカンのいる船着き場」という場所を見つけた。どういうことだろう。と、行ってみることに。
すると、訪れたのは2023年春のことだが、ペリカンがそっといたのだった。近寄らずに遠目で眺めた。静かな朝を、静かに過ごしていた。
ただ、2024年の今、Googleの地図ではその場所が見えなくなっている。あれから変化が起きたのだと思うし、そのことを外から訪れたぼくが、深追いしてはいけない。
その後、「吉高のオオザクラ」と呼ばれる一本桜を見に行った。樹齢は300年を超え、市の天然記念物にも指定されている。桜が咲く時期はたった数週間であり、日本中の名木を見るのは難しい。今回も、桜の季節に訪れることができたらと思わなかったわけではない。ネットで満開の桜の写真を見たけれど、確かに見事で是非いつか肉眼で見たいとやはり思った。ただ、何より桜が咲く季節であっても、そうではない季節であっても、この木は同じ心を持っているはずだ。
太い幹から伸びる枝や新緑の緑を眺めて、土地に流れた時間を木は知っているのだろうなあ、ということを考えたりした。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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