日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、千葉県印西市を写真とともに紹介する。
Vol.174/千葉県印西市
印西市では、牧の原公園を最初に訪れた。周辺は千葉ニュータウンとして開発された地域であり、牧の原公園の上から眺めると、戸建ての住宅地が密集した風景が広がっていた。すぐ近くには太い道路と京成成田線が通っており、計画されてつくられた土地であることが伝わってくる。
そして、牧の原公園では一人のご高齢の女性と挨拶を交わして、お話をした。ハキハキとされていて背筋もスッと伸びており、とても若いと感じられたけれど、78歳と聞いてとても驚いた。その女性の心根がとても明るくて、人として朗らかで素直であることの気持ち良さを教えてもらった。家の縁側に座って話をしているようであった。
その後、結縁寺と呼ばれるお寺を目指した。先ほどのニュータウンとは雰囲気が一変し、里山の緑に囲まれた風景が広がっている。「にほんの里100選」にも選定されており、ほんとうの里山の風景そのものだ。ただ、ニュータウンとは5kmほどの距離であり、たったそれだけで景色が180度変わることに、やはり驚かされた。
お寺を中心に周辺を散策し、感じられる気配の違いというものは不思議であり、それでもそれぞれの場所で、私たちは今を生きているということを思った。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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