鹿児島県南九州市知覧町の広大な田畑に誕生した竹のランドマーク。
この施設は、今年2月にオープンし、鹿児島の隠れた逸品として知られる「蒸し料理」を楽しむことができる「旬蒸terrace(しゅんしゅんテラス)」だ。デザインブランディングと建築設計は、モノゴトの顔を作る事に長けたIS NEARが担当した。
鹿児島ならではの蒸し料理を楽しめる
同店の各テーブルには蒸籠があり、湯気が噴き出す様子を眺めながら、鹿児島ならではの蒸し料理を楽しむことができる。
施設のロゴマークは、「旬」と「蒸」を一目でわかるようにデザインされている。
鹿児島の力強さを表現した筆タッチと、旬を蒸し上げる動きのあるデザインは、他にはない唯一無二の独自性を持っており、まさに「名は体を表す」を体現している。
2m近くある竹ルーバーに設置された亜鉛メッキロゴサインは、職人の手切りで制作され、デザインと建築の融合を得意とするIS NEARの真骨頂だ。そのスケール感は見る人を圧倒し、思わず写真を撮りたくなるような大迫力。
鹿児島県産の竹を400本使用してできた巨大ルーバー建具は、施工に入った有薗との共同制作により、建物をより印象的に仕上げた。
一見大迫力だけど、近づくとそこから洩れる光や表情は、四季折々の光や風景が感じられる。
交流を生むマーケットや軽トラ市などを開催
巨大なテラスとなっている軒下空間は、開放的な空間を作り出し、塗り版築で製作されたフレキシブルなオリジナル什器を使用して、人々がくつろげる場所となり、地域との交流を生むマーケットや軽トラ市などのイベント開催も検討されている。
内装には、アグリ事業部としてトマトやモリンガの生産販売事業を展開する高槻電器工業ならではのアイデアが詰まっており、薩摩黒土を使用した塗り壁や、土間のデザインには土の温かみが感じられる。
またレジの後ろには、テイクアウト用の大きな蒸し釜があり、シュンシュンと吹きこぼれる蒸気は、食欲をそそる演出となっている。
さらに店内に設置された、日本で唯一「真空管」を製造する高槻電器工業の「真空管アンプ」から流れる音は、マニアだけではなく、誰もが最高級の音を体感できる。これだけでも訪れる価値のある貴重な場所である。
物販コーナーでは特産品も購入可能
店内では、鹿児島の旬の素材を使用した各種蒸し御膳が楽しめる。また、地元のスタッフとの会話も楽しむことができ、物販コーナーでは鹿児島の焼酎や出汁などの特産品も購入可能。オリジナルの紙袋もロゴが踊ってインパクト大だ。
観光施設としても、飲食施設としても、訪れる価値のある場所「旬蒸terrace」。家族や友人と一緒に訪れてみては。
■旬蒸terrace
住所:鹿児島県南九州市知覧町郡17375-1
アクセス:南薩循環道南九州知覧ICから降りて車で2分
鹿児島市内から車で約45分、知覧特攻平和会館より1.5km
営業時間:10:00~17:00
席数:56席
URL:https://shunshunterrace.com/
(江崎貴子)