日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、茨城県古河市を写真とともに紹介する。
Vol.179/茨城県古河市
千葉県野田市の旧関宿町を訪れたことで、千葉県の旧市町村をすべて巡ることができた。そして、1日の雨による休養日を挟んで、茨城県へと踏み入れていった。ルートに明確な決まりはないが、出来るだけ一筆書きで進むことをイメージして、茨城県西部に位置する古河市へ向かう。古河市は旧総和町と旧三和町が合併し、現在の姿になっている。
朝4時50分に出発した。地面は雨で黒く濡れているが、低い雲がオレンジ色に染まり、朝焼けが美しい。
最初に、「古河公方公園」を訪れた。国際賞を受賞したこともある公園で、開館時間が「日の出から日の入りまで」と書かれてあった。この考え方、好きだなあと思う。
公園には芝や植物の緑、花の明るい色で満たされ、朝日が降り注ぐとても気持ちの良い朝だ。中には孔雀もいて、初めて訪れた私にとっては小さな冒険のようでもあった。
それに、大きな望遠レンズを担ぎながら歩く、スーツ姿の男性もいた。朝の出勤前に、野鳥を撮っているのかなあと思った。そういった楽しみがあるっていいな。
公園を散策したあと、古河歴史博物館の近辺へ訪れた。開館は9時からで、まだ訪れた時間が早かったので開いていなかったが、その周辺を歩いてみる。光と影が入り混じり、道路は石畳で風情がある。緑の木々と青空のコントラストも美しい。まちなみが持つ雰囲気は、この土地にしっかりと染み込んでいると感じられた。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
仁科勝介公式Twitter:https://twitter.com/katsuo247
仁科勝介公式Instagram:https://www.instagram.com/katsuo247/