栗田工業は、3月4日(月)に、昭島市立多摩辺中学校の3年生を対象に、栗田工業が現在研究開発に取り組む微生物燃料電池をテーマとした出前授業を実施した。
この出前授業は、栗田工業のイノベーションを創出する研究開発拠点であるKurita Innovation Hub(KIH)が立地する東京都昭島市における地域貢献活動の一環として、KIHに所属する栗田工業社員が昭島市立多摩辺中学校を訪問し、理科室における体験授業の形で実施した。
多摩辺中学校と栗田工業との方向性が一致
微生物燃料電池は、排水中の有機物を処理しながら電気を生み出す技術で、省エネとCO2削減を通じた脱炭素社会実現への貢献が期待されている。このような背景から、さまざまな企業や研究機関により実用化を目指した研究開発が現在進められており、栗田工業は現在、水処理設備における微生物燃料電池の開発で世界最高レベルの性能を達成している(※)。
今回の出前授業は、3年生が理科で学習した地球環境問題に直結する体験授業への関心があった多摩辺中学校と、水処理事業を活かした地域貢献や次世代に向けた微生物燃料電池の認知向上を図りたい栗田工業との方向性が一致し、実現に至った。
微生物が発生させる電気で電子オルゴールを鳴らす実験
出前授業では、微生物の多様性や微生物燃料電池の仕組みを学んだあと、同社が開発中の微生物燃料電池を生徒に実際に組み立ててもらい、微生物が発生させる電気で電子オルゴールを鳴らす実験に取り組んだ。
実験のあとには、生徒に持続可能な社会の実現に向け微生物燃料電池が果たすことのできる役割を考えてもらうとともに、最後に出前授業で得られたことや感想などを発表してもらった。
前向きな感想がたくさん
参加した生徒からは、地球環境問題の解決に微生物燃料電池の技術や発想が使えることを理解できたという声に加え、「環境問題や科学技術の開発に熱心に取り組む企業があることを知ることができた」「そのような取り組みを仕事にできることへの興味が深まった」など、前向きな感想をたくさんもらったそうだ。
クリタグループでは、引き続き、脱炭素社会実現への貢献に向けたイノベーションを推進するとともに、社会貢献活動における重点分野のひとつとして未来を担う若年層の教育支援を推進に取り組むことなどにより、持続可能な社会の実現に貢献していくという。
クリタグループ(栗田工業):https://www.kurita.co.jp/index.html
※2022年1月20日付け栗田工業プレスリリース「微生物燃料電池」を用いた排水処理の実現に向け、微生物発電セルのスケールアップに成功 参照:https://www.kurita.co.jp/aboutus/press220120.html
(角谷良平)