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【長野県阿智村】「昼神温泉 石苔亭いしだ」で、春の風物詩「2千体雛飾りとヤークー様」を展示中

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長野県阿智村の「昼神温泉 石苔亭いしだ」では、「2千体雛飾りと厄を喰らう神様・ヤークー様」を4月3日(水)まで展示している。

日本古来の伝統が受け継がれる星空の村

阿智村は、長野県の木曾山脈の南部、八百万の神々の気配を色濃く感じる神坂峠の麓に位置し、環境省による全国星空継続観察(平成18年)で“星がもっとも輝いて見える場所”第1位に認定されている。


4月上旬~5月上旬にかけての“花桃の里”も有名で、「昼神温泉郷」や「月川温泉郷」などで鑑賞できる。


「昼神温泉 石苔亭いしだ」は、約3000坪の敷地に数寄屋建築平屋造り全17室の純和風旅館。


料理は、山里の幸をはじめとした滋味溢れる信州懐石料理を提供する。


温泉は出湯50年となるが、美容液のような滑らかな湯は美人の湯として有名だ。

人の厄を喰らう神様「ヤークー様」

昼神温泉郷は南信州の静かな山里(阿智村)に位置し、平安時代には東西をつなぐ古代東山道の場所にあり、万葉集や源氏物語にも多く描かれた。南信州に伝わる古来からの伝承・お祭りも色濃く残る場所だ。「石苔亭いしだ」では、受け継がれてきた日本の伝統の保護に努め、同館の能舞台にて定期的に伝統芸能を開催している。


「ヤークー様」は、冬から春まで昼神温泉郷を守る「湯屋守様」から発生した神様で、人に降りかかる災いごとを食べて、幸をもたらしてくれる“厄を喰らう神様”だ。冬から春まで昼神温泉郷を守る湯屋守様は、毎年3月上旬に山に戻ってしまうため、春から6月末までの間、人々を病や厄災から守ってくれる神様として座してほしいという祈りから誕生した。

ヤークー様の名付け親は、数々の名作映画を手掛けた宮崎駿監督と阿智村の⼩学⽣たち。宮崎監督は「人々の厄を喰らい、祓う神様だからヤークー様なんだ」と、この名前を選んだという。

職人が自然素材で干支を模して製作


ヤークー様は、その年の干支を模して、藁や竹などの自然素材をしめ縄や門松を作る手法で作られる。今年は、昼神温泉と「石苔亭いしだ」の50周年を記念し、特別な仕様を地元の職人に依頼して製作。総重量50キロ、全⻑10メートルのヤークー様が、能舞台の天井に姿を現した。

当初は天井に固定するのが至難の業で断念していたが、多くの人の熱い思いと、地元の職人による“神様を作っている”という敬虔な心が形になり、多くの知恵が生まれ実現した。職⼈や人々の“困難を可能に”という思いが込められている。

2千体雛飾りとヤークー様の展示


「石苔亭いしだ」では、毎年1月下旬~4月上旬の間、能舞台に飾られた2千体の雛やつるし雛と合わせてヤークー様が飾られる。同時に展示するようになったのは、子どもの成長や安全を祈るというお雛様の本来の意味と、ヤークー様が人々を病や厄災から守ってくれる意味とが重なったことから。子どもの早い成長時期と一年の早い時期の重なる意味合いもある。

今年は、4月3日(水)まで実際に舞台に上がり、鑑賞することが可能。厄を取ってくれることから、身体の痛いところなどを記入した紙を丸めてヤークー様の中に入れることもできる。


最近では、多くの人の祈りの思いが込められた雛飾りの中で婚礼をする人も増えてきているという。4月4日(木)以降は、能舞台で年間を通して定期的に伝統芸能などが開催される。


また、同施設のロビー喫茶「朝比奈」には、春の限定メニュー「甘酒ラテ」も登場。米と麹だけで造った信濃錦の純米甘酒とミルクを合わせ、桜の花の塩漬けを添えている。雛飾り期間中は外来者も利用可能なので、味わってみよう。

「石苔亭いしだ」を訪れて、「2千体雛飾りと厄を喰らう神様・ヤークー様」を楽しんでみては。

石苔亭いしだHP:https://www.sekitaitei.com/

(山本えり)

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