日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、茨城県旧江戸崎町(稲敷市)を写真とともに紹介する。
Vol.201/茨城県旧江戸崎町(稲敷市)
旧江戸崎町にやってきた。北は美浦村や阿見町、西は牛久市や龍ケ崎市と接しており、平坦な土地が多い。最初は、「こもれび森のイバライド」というテーマパークに行こうかと思っていたが、移動中に旧江戸崎町の昔のまちなみに遭遇して、こちらを歩こうと思った。静かなまちなみではあったが、長く続く暮らしの気配が染み込んでいた。土地の時間を感じる方が好きなのだ。
まちなみには昔ながらの写真館や書店をはじめ、商店街らしいお店が並んでいた。新しい建物もあったし、稲敷市のマスコットキャラクターを見つけたときはほっこりした。それにもちろん、シャッターを閉じている建物もある。静かなまちなみを歩くことは、商店街の良し悪しを決めることではない。それよりも、もっと確かなこととして、ここで暮らす人々の時間があることを想像する。そのために歩いているように思う。自分が関わることのなかった土地だとしても、誰かにとっての生活は、当たり前のように流れているから。その想像力を少しでも増やす旅をしたい。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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